ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)が登録される見通しとなった。事前審査を行う諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が「登録」を勧告した。7月19日から韓国・釜山で開かれる世界遺産委員会で最終的に決定される。
ユネスコは6日(日本時間)、イコモスの勧告内容を公表した。「飛鳥・藤原の宮都」は、6世紀末から8世紀初めにかけて都が置かれた古代国家の遺跡群である。「宮都」は天皇の宮殿とその周辺地域を指す。「飛鳥美人」と呼ばれる壁画で知られる高松塚古墳や、「青龍」など四方の守り神である四神が描かれたキトラ古墳など、奈良県明日香村、橿原市、桜井市に点在する宮殿跡、役所跡、仏教寺院跡、古墳など19の資産で構成される。地上に立つ寺社建築を中心とする京都や奈良の世界遺産とは異なり、その多くは地中の遺跡となっている点が特徴だ。
中央集権体制の形成過程を示す遺産
飛鳥・藤原に都が置かれた時期は、中国大陸の隋や唐、朝鮮半島との交流を通じて、様々な制度や技術が導入された。日本列島の政権が旧来の有力豪族による連合政権的な状態から、中央集権体制へと変化していったのもこの頃とされる。日本政府は2025年1月、「中央集権体制が誕生・成立した過程を、二つの連続する時代の宮都の変遷から示すことができる人類にとって顕著な普遍的価値を持つ」などとして、ユネスコに推薦していた。
日本国内27件目の世界遺産に
日本国内の世界遺産は現在、文化遺産21件、自然遺産5件の計26件。「飛鳥・藤原の宮都」の登録が決まれば27件目となる。イコモスの勧告は正式登録への大きな前進であり、地元奈良県では期待が高まっている。



