栃木・足利の草雲美術館で企画展「霊峰富士と山々」開催 田崎草雲の晩年傑作23点を展示
草雲美術館で企画展「霊峰富士と山々」 晩年傑作23点展示 (02.03.2026)

栃木・足利の草雲美術館で企画展「霊峰富士と山々」が開催中

栃木県足利市緑町にある草雲美術館では、現在、企画展「霊峰富士と山々」が開催されています。この展示会は、幕末から明治時代にかけて活躍した同市ゆかりの画家、田崎草雲(1815~1898年)が富士山の神々しさを描いた晩年の傑作を中心に、23作品を一堂に展示しています。

草雲の富士山への情熱と代表作の数々

田崎草雲は1878年、現在の草雲美術館がある場所に居宅兼画室「白石山房」を構えました。ここから遠方の富士山を望遠鏡で眺めながら、多くの「富嶽図」を制作したと伝えられています。その情熱は、展示作品からも強く感じ取ることができます。

展示の目玉は、「絹本墨画 富嶽図」(1894年作)です。この作品は栃木県指定有形文化財に登録されており、草雲の代表作として広く知られています。興味深いことに、1893年のシカゴ万国博覧会で名誉大賞牌を受賞した作品(後に毀損)と同じ構図と大きさで描かれており、草雲の富士山へのこだわりが窺えます。

珍しい彩色作品や大作屏風も見逃せない

また、「青い富士」の別名を持つ「絹本著色 富嶽図」(1894年作)は、草雲には珍しい彩色作品として注目されています。濃紺色の鉱石ラピスラズリやコバルトを使用しており、鮮やかな色彩が印象的です。

さらに、フランス皇帝ナポレオンを思わせる西郷隆盛の姿と富士山を左右に並べた六曲一双屛風「富士見西郷図」(1879年作)は、横長8メートル近い大作です。久保賢史学芸員は、「当時、草雲が考えた日本一の人物と山を並べたのでしょう」と解説しており、草雲のユニークな視点が感じられます。

展示会の詳細と見どころ

企画展「霊峰富士と山々」は、以下の日程で開催されています:

  • 開催期間:2026年3月22日まで
  • 開館時間:午前9時から午後4時
  • 休館日:原則として月曜日

問い合わせは草雲美術館(電話:0284-21-3808)まで。この展示会は、富士山の荘厳な美しさを愛でた草雲の芸術世界を存分に楽しめる貴重な機会となっています。地元足利をはじめ、多くの美術ファンが訪れることが期待されます。