ソフトバンク、有原航平の穴埋めで火花 前田悠伍と松本晴がライバル心むき出し
ソフトバンク有原穴埋めで火花 前田と松本がライバル心

ソフトバンク宮崎キャンプで先発争いが激化 有原航平の移籍が投手陣に火花を散らす

宮崎のキャンプ地では、連日熱気に包まれる場所がある。それは、福岡ソフトバンクホークスの先発候補投手たちが火花を散らすブルペンだ。第1クール最終日の4日、3年目の左腕・前田悠伍が50球を投げ込み、同じく左腕で4年目の松本晴に対し、「勝たないといけない」とライバル心をあらわにした。小久保裕紀監督の鋭い視線を受けながら、両投手は激しい競争を繰り広げている。

有原航平の移籍が最大の課題 新戦力の台頭に期待

指揮官は「新しい投手が先発ローテーションに食い込んでこない限り、リーグ3連覇は厳しい」と語る。昨季まで2年連続で最多勝に輝いた有原航平が日本ハムへ移籍し、リーグ2位の175回を投げた大黒柱の穴埋めが緊急の課題となっている。昨季2桁勝利を挙げたモイネロ、大関、上沢は先発ローテとして計算できるものの、有原の代役探しがキャンプの焦点だ。

その筆頭候補が、来日8年目の右腕・スチュワートだ。昨季は故障で一軍登板がなかったが、能力は随一と評価されている。2年契約最終年の今季に向け、例年以上のペースで調整を進めており、倉野信次投手チーフコーチは「間違いなく鍵を握る」と期待を寄せる。

競争を前面に打ち出し投手陣全体の底上げを図る

ただ、有原の代役探しだけが目的ではない。倉野コーチは「どれだけ一軍レベルの投手をそろえられるかが、僕の勝負」と力を込める。オフには投手個別に課題を設定し、キャンプ前には第3クールからB組(二軍)の3投手をA組(一軍)に昇格させると予告。競争を促す効果はてきめんだった。

フリーエージェント権を行使して残留した東浜巨は、2月中旬の合流が認められた「S組」ながら、初日からチームと練習に参加。先発転向3年目の大津亮介や新加入の台湾出身右腕・徐若煕、中継ぎから先発に挑戦する尾形恭兵らも、実戦形式の打撃練習やブルペンでアピールに目の色を変えていた。

新たな柱の台頭で日本シリーズ王者の不安を強みに

あえてB組も巻き込んで競争を促した首脳陣の狙いは、エースの移籍を投手陣全体の底上げにつなげることだ。「有原さんの抜けた穴は自分が埋める」と語る大津のように、その気になった投手たちの姿に倉野コーチは目を細める。「この意識や取り組みが今後にもつながる」と期待を込める。

予定通り、10日にはB組から4年目左腕の大野雄大ら3投手がA組に昇格し、開幕ローテ争いが本格化した。最多勝投手がいなくなっても、小久保監督は「チャンスの選手の方が多い」と前向きだ。サバイバルを経て新たな柱が何本も台頭すれば、日本シリーズ王者の不安材料は強みに変わる可能性がある。