帝京が逆転劇で名門復活の序章 8回に一挙4点を奪取
第98回選抜高校野球は3月19日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、帝京が沖縄尚学を4対3で下した。帝京は1点を追う8回に蔦原選手の2点二塁打などで一挙4点を奪い逆転に成功。2投手の継投で逃げ切り、16年ぶりの出場を勝利で飾った。
「命を懸けて」蔦原が逆転の2点打
帝京打線にとって、昨年夏の優勝投手である沖縄尚学・末吉投手の投球は想像以上に厳しかった。左腕から繰り出す140キロ台後半の速球が高めに伸び、変化球は鋭く低めに落ちる。それでも帝京はしぶとく食らいつき、8回には相手の2失策もあって一死満塁のチャンスを作り出した。
5番打者の蔦原選手は「ここで決めないと、もうチャンスはない。命を懸けて打席に立った」と強い決意を語る。低めの変化球が続いた後の3球目、変化球を意識していたが、甘く入ってきた138キロの直球に完璧に反応。中越えの逆転2点二塁打を放ち、ガッツポーズで喜びを爆発させた。
身長174センチ、体重86キロの蔦原選手は「米と肉をたくさん食べて、筋トレに励んで」身につけたパワーに自信を持つ。「自分ではセンターライナーかと思った」という打球がグンと伸びたのは、日々の鍛錬の成果だろう。
名門復活にかける強い思い
「命を懸けて」という強い言葉を発した背景には、「甲子園に出るだけでは駄目。相手が優勝校でも必ず倒す気持ちだった」という覚悟があった。帝京は春・夏合わせて3度の全国制覇を果たした名門校。16年ぶりの出場ではあるが、その復活にかける思いは熱い。
先発の仁礼投手が好投し、守備は無失策でチームを支えた。帝京は力強く甲子園での再スタートを切ったのである。
沖縄尚学は1点差に泣く
沖縄尚学は、比嘉監督が開幕前から「不安材料」に挙げていた打線が勝負所でつながらなかった。6安打を記録したものの連打はなく、9回二死満塁からの代打攻勢も連続成功とはいかず、1点差で敗戦を喫した。
3回に先制二塁打を放った1番の仲間選手は「(相手先発の仁礼投手は)癖のあるフォームでなかなか捉えられず、悔しい。この負けを夏に生かすしかない」と前を向いた。
両監督のコメント
帝京・金田監督は「(甲子園で校歌が流れて)この瞬間を待ちわびていた。選手が自分たちの野球を貫いてくれたおかげ。大きな1勝だ」と勝利の喜びを語った。
沖縄尚学・比嘉監督は「失策や四球が出ると、最終的にこういう(負け)ゲームになる。もったいなかった」と悔しさをにじませた。
帝京の逆転勝利は、名門復活の序章として記憶に残る一戦となった。両校の今後の活躍が期待される。



