新制度導入を巡り選手側と平行線
ラグビーの国内最高峰リーグであるリーグワンが、来季から導入を予定している新たな選手登録制度を巡り、海外出身で日本国籍を取得した選手たちと対立している。4月30日、東京都内で会見したリーグワンの玉塚元一理事長は、選手側の訴えを重く受け止めるとしながらも、新制度はラグビー普及に貢献できるとして、予定通り進める方針を明確にした。
新制度の内容と問題点
新制度は、日本出身選手の出場機会を増やすことを目的に、日本で義務教育期間のうち6年以上を過ごした選手の出場枠を新設するもの。この変更により、海外出身で日本代表資格を持つ選手の出場枠が狭まり、来季以降の契約にも影響が出ているとされる。該当する選手約25人は、同じ日本国籍でありながら扱いに差が生じるのは独占禁止法が禁じる不公正な取引方法に当たるとして、4月20日に公正取引委員会への申告と東京地方裁判所への差し止め仮処分申請を行った。
リーグ側の主張
リーグ側は、ラグビーの代表資格は国籍ではなく、登録している協会に基づくものであるため、違法ではないと強調。玉塚理事長は、5年、10年の長期的な視点で見れば新制度が良いというのがラグビー界のコンセンサスだと述べ、差別との指摘については理解できるが残念だとコメントした。東海林一専務理事も、法的な問題はないと認識していると繰り返し、海外出身選手への影響は当初から認識しているが、大きなものにはならないと想定していると説明した。
議論の進め方に課題
一方で、リーグ側は議論の進め方に課題があったことを認めた。選手会を通じて説明を行っていたが、影響を受ける選手たちに詳細が十分に伝わっていなかった可能性があるという。玉塚理事長は、海外出身選手に対して直接のチャンネルを持っておらず、そのため十分な説明ができなかったことは大きな反省点だと振り返った。
今後の展開
今回の新制度変更は、ラグビー界の多様性の歴史に変化をもたらす可能性がある。選手側とリーグ側の溝は埋まらず、議論は平行線をたどっている。公正取引委員会の判断や東京地裁の仮処分申請の結果が注目される。



