坂本花織、現役最後の舞台で「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を滑る
2026年2月17日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)が行われ、日本の坂本花織(25)が「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を演技した。坂本は77.23点をマークし、首位の中井亜美にわずかな差で続く2位で発進。今季限りでの引退を決めている彼女は、集大成の大会で金メダルを視野に入れる好スタートを切った。
初めての背中を押されない緊張感
会場のクッションが分厚いため、坂本はこれまで慣例としてきた中野園子コーチからの背中をたたかれるルーティンを断念せざるを得なかった。代わりに、クッション越しに右手をタッチして演技に臨んだ。4歳でスケートを始めてから一貫して中野コーチに指導を受けてきた坂本にとって、背中を押されないのは初めての経験だった。
それでも、大舞台の緊張に打ち勝つだけの精神力を見せ、柔らかい表情で滑り始めた。坂本は「曲名は『サヨナラ』みたいな感じだけど、次の自分に向けて進んでいくという感じ。決して終わりじゃない」と語り、引退を前向きに捉える姿勢を強調した。
リショー振付師による持ち味を生かしたプログラム
SPのプログラムは、何度もタッグを組む振付師リショーによって、坂本の「伸びのあるスケート」が際立つように心を配ってつくられた。氷上をすいすいと滑る様子は、観客を魅了し、坂本自身も「滑る間、すっごく楽しくて。たぶん、めちゃ笑ってたと思う」と満喫していた。
約2分40秒の演技では大きなミスもなく、終了後にはガッツポーズで喜びを表現。演技構成点では最高評価を得て、「自分を褒めてあげたい」と語るほど充実したパフォーマンスとなった。
集大成の舞台で金メダルへ
首位の中井亜美との差はわずかであり、坂本は金メダル獲得に向けて有利な位置につけた。今大会が現役最後のオリンピックとなる坂本は、「いっつもここにいる」という言葉通り、ライバルが強すぎる環境でも独自の戦略を築き、着実に結果を残してきた。
今後のフリースケーティング(FS)でも、安定した演技が期待される。坂本の引退を控えた挑戦は、フィギュアスケートファンにとって感動的な瞬間となるだろう。