ミラノ五輪スノーボード男子ハーフパイプで19歳山田琉聖が銅メダル獲得
2026年ミラノ・コルティナオリンピックのスノーボード男子ハーフパイプ競技において、日本勢が大活躍を見せた。2月13日に行われた決勝では、戸塚優斗選手(ヨネックス)が95.00点で金メダルを獲得し、日本選手が2大会連続でこの種目を制覇した。さらに注目を集めたのが、19歳の山田琉聖選手(JWS所属)である。山田選手は92.00点で銅メダルを手にし、初めての五輪舞台で堂々の表彰台に立った。平野流佳選手(INPEX)は4位に入り、連覇を狙った平野歩夢選手は7位に終わった。
幼少期からスノーボードに没頭、ジャンプ習得に情熱を燃やす
山田琉聖選手は札幌市出身で、スノーボードを愛好する両親の影響を受け、5歳の頃から滑り始めた。すぐに競技にのめり込み、昼間に滑っていたスキー場が閉まると、母親の美咲子さん(48歳)に頼んでナイター対応のスキー場へ向かうほどの熱中ぶりだった。ある時、転倒して目を負傷しジャンプが禁止された際には、「ジャンプを習わせてほしい」と美咲子さんに土下座して懇願したというエピソードが残っている。
指導者との出会いと「化けるかもしれない」という期待
小学3年生の時、オリンピック出場経験を持つ村上大輔さん(42歳)のレッスンに通い始めた。当時、山田選手は同年代の子どもたちよりも一回り身長が低かったが、誰よりもスピードを出して滑ろうとする姿勢や、「こんな技をやりたい」と自ら提案する積極性を見せた。村上さんはその様子から、「この子は化けるかもしれない」と感じていたという。
独自の技「マックツイスト」へのこだわりと苦悩
中学時代、山田選手はスノーボード競技に一時的に興味を失いかけた。それは、大会で他の選手たちが似たような高回転の技ばかりを繰り返している光景を目にしたからだ。その頃、山田選手が研究していたのが「マックツイスト」という技である。この技は回転数が少ない代わりに滞空時間が長く、空中で他者とは異なる独自のスタイルを表現できる点が特徴だった。
しかし、当時の大会では高回転の技ばかりが高評価を受ける傾向にあり、周囲からは「マックツイストは点数が伸びないからやめた方がいい」と助言されることも多かった。結果が出ずに悩んでいた山田選手に、村上さんは「結果を出すためにやっているわけじゃない。自分のスタイルは絶対に変えるな」と力強い言葉をかけた。このアドバイスが転機となり、山田選手はマックツイストを極める決意を固めたのである。
「時が止まるよう」な唯一無二の技へ進化
現在、山田選手は独自のマックツイストを完成させ、2回転する「ダブルマックツイスト1080」は彼の代名詞とも言える技に成長した。村上さんは「琉聖のマックツイストは時が止まるようで、琉聖にしかできない唯一無二の技になった」と評価し、目を細めている。
五輪決勝での堂々の演技と未来への展望
ミラノ五輪の決勝という大舞台でも、山田選手は選手人生でこだわり続けてきた前方宙返りを伴うマックツイストを披露した。会場は大いに盛り上がり、独創性の高いこの技は6人の審査員からも高く評価された。初出場ながら銅メダルを獲得した山田選手は、「4年後のオリンピックも目指している。今まで通り、自分のルーチンを貫いていきたい」と力強く語り、今後への意欲を示した。
山田琉聖選手の銅メダル獲得は、独自のスタイルを貫き通すことの重要性を改めて示すものとなった。幼少期からの情熱、指導者からの支え、そして自身の信念が、19歳の若きアスリートを五輪の表彰台へと導いたのである。