名古屋城木造復元計画、差別発言後初の市民説明会開催 広沢市長が謝罪
名古屋城木造復元、差別発言後初の市民説明会

名古屋城木造復元計画、差別発言後初の市民説明会を実施

名古屋市は2月11日、中村区役所において名古屋城木造復元計画に関する市民説明会を開催しました。この説明会には約140人の参加者が集まり、計画の現状や今後の進め方についての報告が行われました。特に注目されるのは、2023年6月に市主催の市民討論会で車いす利用者への差別発言が問題となって以来、初めて実施された説明会である点です。

広沢市長が改めて謝罪、基本方針を説明

説明会の冒頭では、広沢一郎市長が「差別事案を生じさせてしまったことを改めておわび申し上げます。市民に正確な情報を届け、共通認識を持ちながら進めることが重要と考えています」と挨拶し、過去の不適切な発言に対する反省の意を表明しました。

続いて、渡辺孝彦・名古屋城総合事務所長らが登壇し、今後の基本方針について説明を行いました。具体的には、人権意識の向上当事者との建設的な対話、さらに市民への丁寧な説明と理解促進・機運醸成を柱とする取り組みが示されました。ただし、今回の説明会では参加者への発言機会は設けられず、一方的な情報提供に留まりました。

当事者団体からは対話不足の指摘も

障害者らで構成される「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」の斎藤県三共同代表は、今回の説明会について疑問を呈しています。「市の進め方を一方的に説明しただけで、当事者や市民との対話もなく、従来のやり方と何が変わったのか」と指摘し、より積極的なコミュニケーションの必要性を訴えました。

この発言は、バリアフリー対策を巡る議論が依然として課題として残っていることを浮き彫りにしています。名古屋城の木造復元計画は、歴史的価値の保全と現代的なアクセシビリティの両立を目指す複雑なプロジェクトであり、市民の理解と協力が不可欠です。

今後の展開としては、市が示した基本方針に基づき、具体的な対話の場の設定や、計画の透明性向上が期待されます。特に、障害者を含む多様な市民の声を反映させる仕組みの構築が、プロジェクトの成功に向けた鍵となるでしょう。