アンコウを宇宙食に!北茨城の老舗旅館が気球で成層圏実験へ
アンコウ宇宙食へ気球実験 北茨城の旅館がCF

茨城県北茨城市の老舗旅館「まるみつ旅館」が、アンコウ料理で知られる同館の看板食材を宇宙へ届ける壮大なプロジェクトを進めている。プロジェクト名は「あんこう宇宙食プロジェクト」。あん肝や肝油を宇宙食として活用することを最終目標に掲げ、その第一歩として、アンコウの肝や切り身を気球で成層圏に打ち上げ、成分変化などを調査する実験を計画している。現在、クラウドファンディング(CF)で約300万円の資金を募集中だ。

気球で高度3万メートルへ

実験は2024年9月を予定。アンコウの切り身や肝、骨、加工品などを気球に搭載し、高度約3万メートルの成層圏まで上昇させる。その後、気球は破裂し、落下してきた試料を海上で回収する。成層圏は気圧が低く、気温はマイナス30度から40度という過酷な環境。この環境にさらされた後の味や形、成分の変化を詳しく調べる。

気球の打ち上げは専門団体「Kikyu.org」に委託。回収後の成分調査などには、茨城キリスト教大学(日立市)食物健康科学科の大貫和恵准教授とゼミ生らが協力する。

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あん肝の健康効果に着目

大貫准教授によると、あん肝には抗血栓作用や心筋梗塞を防ぐ効果があるとされるn-3系脂肪酸(DHA、EPA)が豊富に含まれている。宇宙空間では無重力の影響で血栓ができやすく、実際に宇宙飛行士の間でも症例が報告されていることから、「n-3系脂肪酸を多く含むあん肝は、宇宙で必要な栄養素を効率的に補給できる可能性がある」と期待を寄せる。

宇宙食実現への道のり

「まるみつ旅館」の武子能久社長(50)は、宇宙食化の実現には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認証取得や専用設備への多額の投資が必要と説明する。しかし、長野県岡谷市にはウナギの宇宙食を開発した料理店の前例もあることから、「ハードルは高いが、補助金や協力企業を探すなどして、実現の道を模索したい」と意欲を見せる。

さらに、このプロジェクトを通じて、アンコウと北茨城市の魅力を広く知ってもらい、地域活性化につなげる狙いもある。

今後の予定とCF情報

気球は茨城県内か福島県の山間部から好天の日に打ち上げる計画。実験が成功した場合は、回収品のお披露目イベントも開催する予定だ。

クラウドファンディングは、サイト「CAMPFIRE」で9月15日まで実施中。寄付額に応じて、気球搭載カメラの生中継閲覧権や、同旅館のアンコウ料理の提供などの返礼品が用意されている。

アンコウの宇宙食という夢の実現に向け、老舗旅館の挑戦は始まったばかりだ。

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