東成瀬村で今年度出生ゼロの可能性、県内初の事例に
東成瀬村で今年度出生ゼロか、県内初事例

秋田県東成瀬村で、今年度中に子どもが生まれない可能性が浮上している。村内では3月を最後に出生者がなく、10日までに母子手帳の交付も行われていない。このまま出生がなければ、2006年度以降、県内で初めての事例となる。

村長が危機感を表明

5月の村長選で、備前博和村長は「この村は子どもが生まれない危機に直面している。様々な課題が山積する村は今、一つの大きな分岐点に立っている」と住民に訴えた。備前村長が危機を感じたのは、2023年度の出生数が2人と知った時だ。以前から地域の祭りで子どもの数が減るなど少子化を実感していたが、「ここまで減るのか。子どもがいなければ、限界自治体と受け止められる」と肩を落とす。

出生数の推移と対策

村によると、10年前の2016年度には17人の子どもが生まれたが、直近5年は2~8人と1桁台が続いている。村はおむつ・おしりふきの購入代金補助や、出生時・入学時の支援金支給などの少子化対策を実施してきたが、効果は限定的だ。

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今年度はさらに状況が深刻化。10日までに出生届の提出はなく、母子手帳の交付もゼロ。約10か月の妊娠期間を考慮すると、年度内に子どもが生まれる可能性は低いという。県が2006年度から毎月公表する「県の人口と世帯(月報)」を基に集計すると、これまで1年間で子どもが生まれなかった自治体はなかった。

小中学校の将来像を検討

村は2030年度の小学校入学者が現状2人となり、小中学校の児童・生徒数が今後も減少すると見込まれることから、今年度中に協議会を設置し、保護者や地域住民の意見を踏まえて小中学校の今後のあり方を検討する。備前村長は「村で維持が難しいとなれば、中学校をどこかの自治体に任せることになるかもしれない」と話す。

県内の出生状況

2025年度は東成瀬村以外でも4町村で出生数が1桁だった。県の集計によると、県内の出生数は2006年度以降減少し続け、2025年度は計3167人。市町村別では秋田市が1324人と最多で、大仙市277人、横手市と由利本荘市が245人など。一方、18市町村が100人未満で、1桁は八峰町(8人)、東成瀬村(6人)、井川町(5人)、藤里町(4人)、上小阿仁村(2人)だった。

鈴木知事は「県民が『これくらいの規模で私たちの地域がずっと行くんだな』という見通しが持てるようにしないといけない」と、平成の大合併前の旧69市町村単位での地域存続を重視。県こども支援課の甲谷暢課長は「子育てへの経済的支援に加え、子育て世帯や若者の県内回帰、結婚支援などに複合的に取り組み、出生数増加につなげたい」と述べた。

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