老朽化と少子化で来館者半減予測、愛媛県総合科学博物館が魅力向上戦略を策定
老朽化と少子化で来館者半減予測、愛媛県科学博物館が戦略策定

愛媛県新居浜市にある愛媛県総合科学博物館は、開館から30年以上が経過したことを受け、「魅力向上戦略」を策定し、5月末に公表しました。施設の老朽化が進み、県内の少子化も影響して、現状のままでは約10年後に来館者が半減すると予測されています。30年先を見据え、施設改修や展示内容の充実を図ることで、来館者数の維持を目指します。

博物館の現状と課題

同館は1994年に中四国最大級の理工系総合博物館として開館し、自然史や科学技術、産業に関する約31万点の資料を収蔵しています。2009年からは県が学芸部門を担当し、指定管理者が施設の管理運営を行っています。

しかし、目玉の一つであるプラネタリウムの投影機器の一部は耐用年数を超え、不具合が頻発しています。常設展示は大きな見直しが行われておらず、陳腐化が進行。施設全体の老朽化に加え、予約や決済のデジタル化も遅れているのが現状です。

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魅力向上戦略の策定

県は有識者や利用者による検討会を2025年6月に設置し、課題分析と対策を協議してきました。その結果、現在年間17万~18万人で推移する来館者数が、今後10年ほどで半減するとの予測が示されました。来館者の約8割が家族連れであり、急速に進む少子化が大きな影響を与えるとされています。県民アンケートでも、来館しなくなった理由として「子どもの成長・家庭環境の変化」が最も多く挙げられました。

目標と具体的な事業展開

戦略では、来館者数を30年後まで「年平均19万人を維持」する目標を掲げました。そのために今後10年間に必要な事業を優先度に応じて4段階に分けて記載しています。

緊急性が高いのは「プラネタリウム・天文事業の充実」です。高精細投影が可能な機器に更新し、座席もカップルや子育て世代の要望を取り入れて改修する予定です。また、国内最大級の巡回展を誘致できる「大型展示室の新設」や、愛媛の魅力を体系的に伝える「常設展示の大規模更新」なども計画されています。

同館の和田英夫館長は「広域的な文化観光の推進や、地域活性化を牽引するエンジンとなる博物館を目指して取り組んでいきたい」とコメントしています。

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