政府は12日の閣議で、首都直下地震に備えた「緊急対策推進基本計画」の改定版を決定した。この計画は、高確率で発生が予想される首都直下地震による被害を軽減するための目標と具体的な対策を盛り込んでいる。
目標:死者数と建物被害を10年で半減以上
昨年12月に公表された最新の被害想定では、最大で約1万8000人の死者、約40万棟の全壊・焼失建物が予測されている。今回の計画では、これらの数値を今後10年間で「半数以下」に減少させることを目標に掲げた。これは2015年の前回改定時よりも踏み込んだ内容であり、当時は「おおむね半減」としていた。
火災対策が鍵:感震ブレーカーを普及
被害想定によれば、犠牲者の6割以上は火災が原因とされている。このため、対策の柱として「感震ブレーカー」の普及が位置づけられた。感震ブレーカーは、地震を感知すると自動的に電気を遮断し、通電火災を防ぐ装置である。政府は、1都9県に設定された「緊急対策区域」での普及を推進する方針だ。
前回の2015年改定では、当時の想定最大死者数約2万3000人、全壊・焼失建物数約61万棟を「10年間でおおむね半減」とする目標を掲げたが、昨年の被害想定に基づけば、いずれも達成されていない。今回の計画では「半減以上」とより強い表現を用い、実効性のある施策の実施が求められている。
防災庁を司令塔に省庁横断で施策展開
目標達成に必要な自治体支援や住民啓発などの施策は、今年11月の設置を目指す防災庁を司令塔として、各省庁が連携して展開する。これにより、これまで縦割りだった防災対策を一元化し、効果的な推進を図る。
政府は、今回の計画を通じて首都直下地震への備えを強化し、国民の生命と財産を守ることを目指している。



