岩手山東側の規制緩和決定
岩手県は11日、2024年10月から入山規制が続いていた岩手山(標高2038メートル)について、東側の火山活動が停滞しているとして、7月1日午前6時から東側の登山口4か所で規制を緩和することを決めた。一方、火山活動が活発な西側は規制を継続する。夏山シーズンを前に、登山関係者からは歓迎の声が上がった。
協議会で正式決定へ
この日開かれた、県や仙台管区気象台の担当者、大学教授らで構成する「岩手山火山防災協議会幹事会」で決定した。今月中に達増知事をトップとする同協議会を開き、正式に入山規制の緩和を決める。
規制の経緯と現状
岩手山では、2024年10月に噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に引き上げられ、東西の登山口7か所で全面入山規制が実施された。その後、現地調査を続けた県は昨年12月、火山活動が鈍化傾向にあるとして、東側の馬返し(滝沢市)、焼走り(八幡平市)、上坊(同)、御神坂(雫石町)の4登山口を開放する方針を決めていた。
会合では気象台担当者が、岩手山東側の直近の火山活動が停滞していることを説明。県は7月1日午前6時に規制を緩和することを報告した。
西側は規制継続
一方、西側では5月下旬から山体膨張を示す地殻変動が観測され、火山性地震が増加しているとして、噴火警戒レベルを「1(活火山であることに留意)」に引き下げることは見送る方針も示された。
安全対策と登山者の注意点
東側からの登山は可能となるが、噴火警戒レベルが引き下げられるまでの安全対策として、登山口や西側に向かう区域などに「注意」「入山禁止」「立入禁止」と記した看板を設置する。登山者には登山者カードと下山カードの届け出、携帯電話の携行と緊急速報メールの確認を求める。
会合では、噴火警戒レベルが引き下げられた際の対応も報告された。東側は規制を全面撤廃するが、西側では大地獄谷周辺区域で規制を継続し、それ以外の区域は登山道整備後に規制を解除する。県防災課の久保和重総括課長は会合後、「関係市町と連携し、東側で安全な登山ができるよう準備を進めたい。西側で規制が続くのは残念だが、従ってほしい」と述べた。
登山関係者から歓迎の声
日本百名山の一つである岩手山の規制緩和が決まり、県内の登山関係者は安堵の表情を浮かべた。岩手山8合目避難小屋を管理・運営する県山岳・スポーツクライミング協会の吉田春彦会長(67)は「県内外の多くの登山愛好家が岩手山に登ることを楽しみにしていたので、一部緩和が決まって本当に良かった」と胸をなで下ろした。7月の山開きを前に「皆さんを気持ちよく迎えられるよう、登山道の整備や小屋の準備を進めたい」と気を引き締めた。
火山活動急変に備えた連絡訓練
岩手山の入山規制緩和を前に、火山活動の急変に備えた準備も進んでいる。10日には、県や盛岡地方気象台などが連絡訓練を実施し、噴火警戒レベルが引き上げられた際の関係者への連絡手順を確認した。
訓練は、岩手山の噴火警戒レベルが「3(入山規制)」に引き上げられたとの想定で行われた。気象台から連絡を受けた県防災課の職員が、地元の盛岡、滝沢、八幡平、雫石の4市町の担当者に電話やファクスで連絡し、登山者役の職員に緊急速報メールを送信するまでの一連の流れを確認した。
県防災課の久保和重総括課長は「初めての訓練だったが円滑に連絡できた。確実にメールが届くよう、登山者は携帯電話を持ち歩いてほしい」と呼びかけた。



