千葉県内で高齢者を狙ったニセ電話詐欺が相次ぎ、総額約1億円の被害が発生
千葉県内において、2月末にかけて高齢者を標的としたニセ電話詐欺の大規模な被害が相次いで明らかとなった。巧妙に仕組まれた詐欺手口により、複数の高齢者が多額の資産をだまし取られる深刻な事態が発生している。
80代女性が暗号資産で約5100万円を被害に
千葉西警察署は2月27日、千葉市美浜区に住む無職の80代女性が、約5100万円相当の暗号資産をだまし取られた事件を発表した。被害に遭った女性は、昨年9月ごろにパソコンで動画を視聴中に表示された広告をきっかけに、偽の資産運用サイトに誘導されたという。
詐欺の手口は極めて巧妙で、女性は広告を見た後、携帯電話番号を登録。その後、オペレーターを名乗る人物から電話があり、その指示に従って偽サイトで暗号資産を購入し続けた。サイトは資産が増えているように見せる仕組みが施されており、女性は疑うことなく投資を続けていた。
問題が表面化したのは、女性が資産の引き出しを試みた際だった。「引き取りに2年かかる」「デポジットが必要」などと理由をつけて引き出しを妨害され、ようやく詐欺に気付いた女性は警察に相談した。この時点で、すでに多額の暗号資産が指定されたアドレスに送金されていた。
警察官を装ったニセ警察詐欺で76代男性が約5千万円被害
さらに深刻な事例が旭市で発覚した。無職の76代男性が、2024年に約5千万円をだまし取られていたことが判明したのである。この事件では、警察官を装った犯人による「ニセ警察詐欺」の手口が用いられていた。
旭警察署の調べによると、男性は2024年1月ごろ、電気通信事業者を名乗る男から「あなたの携帯がウイルスを拡散している」との電話を受けた。続いて、警察官を名乗る別の男から「通帳を調べるから残高を教えて。あとはセキュリティー協会の指示に従って」と電話がかかってきた。
男性はその後、同協会所属を称する男の電話指示に従い、同年4月まで複数回にわたり現金を振り込み続けた。詐欺に気付かなかった男性が救われたのは、今年1月に金融機関の窓口職員が多額の送金に気付き、警察に通報したことによる。
高齢者を狙う詐欺手口の特徴と対策の必要性
今回明らかになった2件の詐欺事件には、以下のような共通点が見られる:
- 高齢者を標的としている:被害者はいずれも70代から80代の高齢者
- 権威を装ったアプローチ:資産運用の専門家や警察官など、信頼できる立場を装っている
- 段階的な接触:最初は軽い接触から始め、次第に金銭の要求へとエスカレートする
- 心理的プレッシャー:緊急性を強調したり、恐怖心をあおったりする手法を用いている
千葉県警察は、これらの事件を重く見ており、類似の詐欺被害防止に向けた注意喚起を強化している。特に高齢者世帯に対しては、不審な電話やメールへの対応方法について、家族や地域社会によるサポートが不可欠だと指摘している。
専門家は「詐欺グループが最新技術を駆使して手口を巧妙化させている」と警告。インターネット広告や電話だけでなく、SNSを利用した新たな手口も出現しており、継続的な警戒が必要だと訴えている。



