阪神大震災後に生まれた2人が防災ZINEを制作 身近な視点で減災の輪を広げる
阪神大震災後に生まれた2人が防災ZINEを制作

阪神大震災後に生まれた2人が防災ZINEを制作 身近な視点で減災の輪を広げる

1995年の阪神大震災の直後に生まれた2人の女性が、防災をテーマにした自費出版物「ZINE(ジン)」を制作しています。大阪市福島区の福井智子さん(30)と京都市伏見区の藤本里佳さん(31)は、阪神大震災のことは親や学校での話で知る程度でしたが、2011年の東日本大震災で津波の恐怖を感じ、2024年の南海トラフ地震臨時情報で自身の危機を実感し、防災・減災の重要性に目覚めました。

転機となった南海トラフ地震臨時情報

2024年8月に宮崎県沖の日向灘で発生したマグニチュード7.1の地震がきっかけでした。大阪と京都を含む1都2府26県に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表され、福井さんは「調べてみたら南海トラフの被害想定が想像以上で、急に怖くなった」と語ります。被災の危険性が身近に迫り、「自分にできることはないか」と考えるようになりました。

情報収集から実践的な調査へ

大学の同級生だった藤本さんを誘い、まずは情報収集から始めました。防災に関する企画展やイベントに参加し、阪神大震災や東日本大震災の記録や体験記を読み込みました。その後、自ら調査にも乗り出し、友人たちに防災リュックに入れるべきグッズを聞いたり、災害用伝言ダイヤル(171)を実際に使ってみたり、非常食を試食したりしました。堅苦しい防災本ではなく、家族や友人など身近な人に役立つ情報にこだわりました。

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手作りZINE「防災ってなに?」の完成

こうして完成したのが、「防災ってなに?」と題したZINEです。以下の4冊を作成し、気軽に手に取ってもらえるよう工夫しました。

  • 防災リュック
  • 非常食
  • 災害ダイヤル
  • 女性ってたいへん?

表紙は手作りの消しゴムハンコでデザインし、中身も手書きの文字やイラストを取り入れ、親しみやすい仕上がりになっています。

ZINEフェスでの反響と今後の展望

昨年12月に大阪市北区で開催された販売会「ZINEフェス」に初出店しました。当初は旅行記やイラストなど趣味をテーマにした作品が多く、「来る場所間違ったかな」と不安を感じたものの、多くの来場者が手に取り、関心を示してくれました。2024年1月の能登半島地震で被災した女性は「被災前にほしかった」と全種類を購入してくれたそうです。

今月1日には神戸市中央区のZINEフェスにも参加し、今後は全国の被災地を訪れて被災者から話を聞いたり、外国人のためのZINE作成も検討しています。藤本さんは「2人なりのやり方で自由研究のように気になることから手探りでやっていきたい」と語り、福井さんは「自分たちを守るために始めたことが誰かに響き、多くの人にとって防災のハードルが下がればうれしい」と期待を込めています。

この取り組みは、災害への備えを促す新たなアプローチとして、若い世代から注目を集めています。

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