東日本大震災から15年、広域避難者の生活再建は進まず孤独感も深刻
立命館大学を中心とする研究チームは3日、2011年3月に発生した東日本大震災の広域避難者を対象としたアンケート調査の中間結果を公表しました。この調査によると、回答者の35%が生活再建が「進んでいない」と回答し、孤独感が強い人も36%に上るなど、発生から間もなく15年となる中、避難者の苦難が依然として続いている実情が浮き彫りになりました。
広域避難者全体を対象にした珍しい調査
復興庁のまとめによると、2026年2月1日時点での避難者は2万6281人です。生活状況などの調査は都道府県単位で行われることが多い中、研究チームによれば、広域の避難者全体を対象にした調査は珍しいとされています。
調査は2025年10月から2026年2月にかけて実施され、全国53の避難先自治体や支援団体を通じて、18歳以上の3693人を対象としました。これまでに482人の回答を得ており、回答者の内訳は女性62%、男性38%で、40歳から50歳代が多くを占めています。約7割は福島県からの避難者であり、残りの約3割には関東など東北地方以外からの避難者も含まれています。
生活再建の遅れと孤独感の高まり
生活再建の状況について、「進んでいない」と答えた人は、「全く進んでいない」が13%、「あまり進んでいない」が22%で、合計35%に上りました。特に、公営住宅の入居者や無職、非正規雇用の人がこの割合を高くしていると指摘されています。
孤独感については、「常にある」が12%、「時々ある」が24%で、合計36%の人が強い孤独感を抱えていることが明らかになりました。故郷を離れた避難者が、人とのつながりを維持する難しさが顕著に表れており、孤独感が強い人ほど生活再建が遅れている傾向も確認されました。
経済的苦境と今後の支援の必要性
経済的な状況に関する問いでは、「大変苦しい」が16%、「やや苦しい」が36%で、合計52%と半数を超える人が苦境に直面しています。これは、避難先での就労の難しさなどが影響しているとみられています。
研究チームは2026年中に最終報告をまとめ、国などに対し、必要な支援を要望していく方針です。チーム代表の丹波史紀・立命館大学教授(社会福祉学)は、「将来的に避難者への支援の縮小が予想される中、今後も必要な支援内容などの議論に役立てたい」と述べ、継続的な支援の重要性を強調しました。
この調査結果は、東日本大震災から15年が経過しても、多くの広域避難者が生活再建や社会的つながりの面で課題を抱え続けていることを示しており、今後の政策や支援策の見直しに重要な示唆を与えるものとなっています。



