震災の記憶を未来へ繋ぐ灯籠作り 盛岡で追悼の準備が山場
東日本大震災の犠牲者を追悼するため、盛岡市で開催される「祈りの灯火」の灯籠作りが、現在大きな山場を迎えています。11日の点灯式に向けて、市民やボランティアによる制作活動が活発に進められており、その準備は最終段階に入りました。
ボランティアグループが制作を指導 家族連れも参加
7日には、盛岡市のボランティアグループ「3・11絵本プロジェクト」が、もりおか町家物語館において、来館者への灯籠作り指導を行いました。この日は家族連れなど合計9名が参加し、全国から寄せられた牛乳パックを活用して、心を込めた灯籠を一つひとつ丁寧に制作しました。
参加者の一人である盛岡市在住の69歳の女性は、「未来へ」という言葉を切り抜いて灯籠を作成しました。彼女は「震災の記憶は今でも鮮明に残っていますが、同時に『未来は明るいよ』というメッセージを伝えたいと思っています」と語り、その思いを灯籠に託しました。
10年以上にわたる被災地支援の経験を活かす
「3・11絵本プロジェクト」のメンバーの多くは、前身となる別の団体において、2011年から10年間にわたり、沿岸部を中心とした被災地を巡回し、被災した子どもたちへ絵本をプレゼントする活動を継続してきました。約5年前から現在のグループとして再編され、もりおか町家物語館を拠点に、読み聞かせ活動などを積極的に展開しています。
グループの代表である渋谷明子さん(66歳)は、「震災の記憶を風化させないために、私たちが少しでもお手伝いができればと考えています。この灯籠作りを通じて、多くの方々の祈りが集まることを願っています」と力を込めて語りました。
約1万個の灯籠が市内各所で一斉点灯
11日には、これまで市民やボランティアによって制作されてきた約1万個の灯籠が、盛岡市内の複数箇所で一斉に点灯される予定です。点灯場所としては、盛岡城跡公園や中津川の河川敷、県営南青山アパート、そしてもりおか町家物語館などが挙げられています。
これらの灯籠は、単なるイルミネーションではなく、震災で犠牲となられた方々への深い哀悼の意と、復興への希望を象徴するものとして、夜空に優しい光を灯します。地域全体が一体となって、震災の記憶を未来へと繋ぎ、平和と安全を祈る貴重な機会となるでしょう。
このイベントは、震災から15年が経過した今でも、被災地の復興と記憶の継承が重要な課題であることを改めて想起させます。灯籠の明かりが、多くの人々の心に温かな慰めと励ましをもたらすことが期待されています。



