公正取引委員会は11日、業務を委託したライターらフリーランスに対して取引条件を明示しなかったとして、出版大手「KADOKAWA」(東京都千代田区)と出版会社「ヘリテージ」(東京都品川区)のフリーランス法違反を認定し、再発防止を求める勧告を出した。同法に基づく勧告は13件目と14件目となる。
KADOKAWAの違反内容
公取委によると、KADOKAWAは2024年12月1日から2025年8月31日までの間、雑誌や書籍の原稿などの業務を依頼したライターやイラストレーターなど113人に対し、報酬の支払期日などの取引条件を文書やメールで明示していなかった。同社は電話や打ち合わせで口頭で説明していたとしている。
報酬の支払期日を示さない場合、業務や成果物の提供を受けた日がそのまま支払期限となる。同社は後日支払っていたため、支払い遅延も認定された。
また、公取委はKADOKAWAが2024年11月、委託した事業者に対して原稿料などの代金を一方的に引き下げたとして、下請法違反でも勧告を行った。
ヘリテージの違反内容
ヘリテージは、2025年1月1日から9月30日にかけて、雑誌の原稿や写真を依頼した82人に対して支払期日を明示していなかった。支払いも成果物の提供を受けた翌日以降に行っていたため、支払い遅延が認定された。
出版業界への監視強化
出版会社をめぐっては、公取委は昨年、小学館と光文社にもフリーランス法違反で勧告を行っている。業界団体に対しても、会員に取引条件の明示などを促すよう要請していた。慣習として口頭発注が広く行われているとみて、監視を強化している。



