大学入試の総合型・学校推薦型選抜で面接必須化へ 2028年度導入を検討
大学入試制度において、総合型選抜および学校推薦型選抜で面接を必須とする新たなルールが導入される方向で検討が進められている。この動きは、近年の入試において学力テストが偏重されているとの指摘を受けたことを背景としており、受験生の多面的な評価を強化することを目的としている。
学力テスト偏重への懸念が背景に
大学入学者選抜協議会が2025年3月30日に開催された会合において、新たな変更案が提示された。関係者によれば、今年度実施の入試から条件付きで学力テストが可能となったことを受けて、一部の大学で学力テストに重点を置いた選抜方法が採用されたことが問題視されていた。
具体的には、東洋大学(東京都文京区)が実施した「総合型選抜 基礎学力テスト型入試」では、2教科の学力テストが計200点、調査書や小論文が計20点という配点が設定された。また、近畿大学(大阪府)では小論文を課したものの、配点を行わなかった事例も報告されている。
これらの事例に対して、高校関係者からは「早期選抜が安易に実施されることで、高校の教育活動を阻害する可能性がある」との懸念の声が挙がっていた。全国高等学校長協会は、ルールの見直しを求める要望を提出していた。
新ルールの詳細と導入スケジュール
新たに検討されている見直し案では、総合型選抜および学校推薦型選抜において、面接または集団討論を必須項目とする方向性が示されている。オンラインによる面接も認められる見込みである。
受験生への影響を考慮し、約2年間の猶予期間を設けた上で、2028年度実施の入試から新ルールを適用する方向で調整が進められている。大学入学者選抜協議会は今後、実施要項を決定し、2025年6月中に文部科学省が通知する予定となっている。
文部科学省の調査によると、2024年度実施の入試において、総合型選抜の92.6%、学校推薦型選抜の77.4%が面接や討論を採用していた。また、大学入学者全体の53.6%が総合型選抜または学校推薦型選抜を経て入学していたことが明らかになっている。
制度変更の経緯と今後の展望
大学入試制度では、従来、各大学の個別学力テストは「2月1日以降」に実施することが要項で定められていた。そのため、12月末までに行われる総合型選抜や学校推薦型選抜では学力テストができない仕組みとなっていた。
しかし、大学側からの要望を受けて、今年度実施の入試から条件付きで学力テストが可能となった。この変更が、一部の大学で学力テスト偏重の選抜方法を生み出す一因となったと見られている。
新ルールの導入により、学力のみに偏らない多面的な評価が促進され、受験生の適性や意欲をより適切に判断できる環境が整備されることが期待されている。教育関係者は、今後の協議会の議論と文部科学省の通知を注視している。



