年内入試に面接必須化へ 文科省が学力試験偏重に歯止め
文部科学省が大学入試の実施ルールを検討する実務者協議会において、入学前年の秋から始まる「年内入試」において面接を必須とする方針を固めたことが明らかになりました。この措置は、主に学力試験で合否を判定する年内入試が増加している現状に歯止めをかけ、受験生の早期囲い込みを抑制することを目的としています。
年内入試の現状と課題
年内入試は「総合型選抜(旧AO入試)」や「学校推薦型選抜」の通称で、従来は面接や書類審査を通じて受験生の意欲や適性を評価して合否を判定してきました。しかし、文科省が定める「大学入学者選抜実施要項」では、大学個別の学力試験を「2月1日から」と規定しているものの、実際には数十年前から近畿大学など関西の私立大学が年内入試で学力試験を実施してきました。
さらに、首都圏では東洋大学が一昨年、事実上学力試験で選抜する年内入試を導入し、早期に合格を確保したい受験生の心理を巧みにとらえて延べ約2万人の志願者を集めるなど、既存のルールは形骸化している状況が続いていました。
新たな方針の詳細
実務者協議会は高校や大学関係者らで構成されており、大学が年内入試を実施する場合には対面またはオンラインでの面接を実施するよう、文科省の実施要項に明記することを求めています。この方針により、受験生の学力だけでなく、人物像や適性を多角的に評価する機会を確保することが期待されています。
ただし、これまで面接を課さない年内入試を行ってきた大学に対しては、受験生への影響を考慮して2年間の猶予期間を設け、2028年度実施の入試からの適用とすることが決定されました。文科省は6月にも改定された実施要項を全国の大学に通知する見込みです。
背景と経緯
学力試験を課す年内入試の広がりを受けて、文科省は昨年、書類審査に加えて小論文や面接など複数の評価方法を組み合わせることを条件に、学力試験実施を容認する方針に転じていました。しかし、昨年11月に行われた東洋大学の年内入試では面接を実施せず、学力試験に200点を配点した一方で、書類審査や小論文の配点は計20点にとどまるなど、高校側からは「学力試験で合否を判断する一般入試の前倒しだ」との批判が上がっていました。
今回の面接必須化は、こうした学力試験偏重の傾向を是正し、大学入試の多様性と公平性を確保するための重要な一歩と位置付けられています。教育関係者からは、受験生の総合的な能力を評価する入試制度の構築に向けた前向きな動きとして注目が集まっています。



