島根県が養護学校の名称変更を検討 支援学校への転換で教育理念を明確化
島根県教育委員会は、県立特別支援学校のうち、校名に「養護学校」が付いている学校について、早ければ2026年度から名称変更の検討を開始する方針を固めました。この動きは、障害のある児童・生徒を「養い護る」という従来の概念から脱却し、個々のニーズに応じた必要な支援を行う学校としての役割を明確にすることを目的としています。全国的には、校名を「支援学校」に変更する自治体が増加しており、島根県の判断が注目されています。
県内の特別支援学校の現状と名称変更の背景
県教委によると、島根県内には松江養護学校、出雲養護学校、益田養護学校など、校名に「養護学校」が付く県立特別支援学校が9校(5分教室を含む)あります。これに加えて、盲学校や松江ろう学校、浜田ろう学校などの特別支援学校もあり、2025年5月時点で計約1100人の児童・生徒が学んでいます。
2007年の改正学校教育法施行に伴い、盲・ろう・養護学校の総称が特別支援学校となり、全国で校名変更が相次ぎました。しかし、島根県では、現在の名称が県民に広く浸透しており、校名にちなんだ行事も多いことから、これまで変更を見送ってきました。今回、全国的な動向を踏まえ、特別支援教育の充実を図るために、現在策定中の「しまね特別支援教育魅力化ビジョン後期版」(2026~29年度)に「養護学校名称変更の検討」を盛り込むことになりました。
丁寧な検討プロセスと今後の展望
県教委は、名称変更について、児童・生徒や保護者、地域住民、専門家などからの様々な意見を聴取し、数年以内に判断を下す方針です。特別支援教育課の担当者は、「様々な意見を聞いて丁寧に検討を進めたい」と述べており、慎重な議論が期待されます。この変更は、単なる校名の改称にとどまらず、障害者教育の理念を現代的な視点で見直す重要な一歩となる可能性があります。
全国的には、支援学校への名称変更が進む中、島根県の動きは他の地域にも影響を与えるかもしれません。教育現場では、名称変更を通じて、より包括的で個別化された支援の重要性が再認識されることが期待されています。