熱海土石流の起点前所有者を詐欺容疑で逮捕、賠償訴訟に影響の可能性
熱海土石流前所有者を詐欺容疑で逮捕、訴訟に影響も

熱海土石流災害の起点前所有者、新型コロナ詐欺容疑で逮捕される

静岡県警察は、新型コロナウイルス対策の協力金をだまし取った詐欺容疑などで、神奈川県小田原市の会社役員の男性(75歳)ら3人を逮捕しました。この男性は、2021年に発生した熱海市の土石流災害で、起点とされる盛り土周辺の前土地所有者として知られています。県警によると、土石流災害を巡る捜査の過程で、この詐欺事件が発覚したとのことです。

逮捕された3人の詳細と容疑内容

逮捕されたのは、小田原市の会社役員の男性、綾瀬市の警備員の女性(57歳)、そして平塚市の会社役員の男性(76歳)です。発表によると、小田原市の男性と警備員の女性は、2021年3月から4月にかけて、当時経営していた飲食店が閉店状態にあり、協力金の交付要件を満たしていないにもかかわらず、虚偽の交付申請を行い、神奈川県から約160万円をだまし取った疑いが持たれています。一方、平塚市の男性は、同年4月から6月にかけて、経営に関与していた飲食店が廃業していたにもかかわらず、偽造書類を用いて虚偽の交付申請を行い、約75万円をだまし取った疑いで逮捕されました。3人とも、現時点では容疑に対する認否を明らかにしていません。

土石流災害との関連と捜査方針

熱海土石流災害を巡っては、遺族らが告訴を行い、県警が捜査を進めていました。今回の詐欺事件は、その捜査中に浮上したものです。静岡県警察は、「土石流事件とは切り離して捜査を進める」と表明しており、両事件の関連性については慎重な姿勢を示しています。しかし、小田原市の男性が土石流災害の起点前所有者であることから、事件の背景に注目が集まっています。

賠償訴訟への影響と今後の展開

今月24日には、静岡地方裁判所沼津支部で、遺族らが土地所有者や県、熱海市などに対して損害賠償を求める訴訟が開かれる予定です。この訴訟では、小田原市の会社役員の男性への尋問が予定されていました。男性の逮捕により、訴訟の進行や証言の信頼性に影響が出る可能性が指摘されています。関係者からは、裁判の遅延や証拠の再評価を懸念する声も上がっており、今後の動向が注目されます。

この事件は、自然災害の被害者救済と、公的資金を巡る不正行為が交錯する複雑なケースとして、社会に大きな衝撃を与えています。静岡県警は、引き続き捜査を進めるとともに、土石流災害の真相解明にも力を注ぐ方針です。