【そもそも解説】「はどめ規定」とは?性教育への影響と保護者の7割が不要と回答
【そもそも解説】「はどめ規定」とは?性教育への影響

性教育の現場で長年議論の的となってきた「はどめ規定」。朝日新聞が全国のPTA組織の協力を得て実施した保護者アンケートでは、回答した約2400人のうち7割がこの規定を「不要」と考えていることが明らかになった。一体どのような規定で、なぜ導入されたのか。詳しく見ていく。

「はどめ規定」とは何か

「はどめ規定」は、1998年度に学習指導要領に導入された。具体的には、小学校5年生の理科で「人の受精に至る過程は取り扱わない」とされ、中学校1年生の保健体育では「妊娠の経過は取り扱わない」と定められている。このため、性交や受精の詳細なメカニズムを教えることが事実上制限されてきた。

導入の背景

1990年代初頭、HIV感染の拡大を受け、性教育への関心が高まった。1992年には小学校の保健と理科の学習内容に初めて「性に関する指導」が盛り込まれ、同年は「性教育元年」とも呼ばれた。しかし、その後の現場での指導実態を踏まえ、文部科学省は「発達段階を考慮しない指導があった」として、1998年に「はどめ規定」を導入したと説明している。

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朝日新聞が2023年にスポーツ庁に対して行政文書の開示請求を行ったところ、「文書の保存期限が過ぎており保有していない」として不開示とされた。このため、導入時の詳細な議論や根拠は現在も不明な点が多い。

性教育への影響

「はどめ規定」は、学校現場での性教育に大きな影響を与えてきた。多くの教員が「どこまで教えてよいのか」と迷い、結果として性に関する内容を避ける傾向が生まれた。特に、妊娠や出産の仕組み、避妊や性感染症予防といった重要な情報が十分に伝えられていないとの指摘がある。

一方、文部科学省は「規定は最低限の枠組みであり、発達段階に応じた指導は可能」と説明するが、現場からは「萎縮効果が強い」との声が絶えない。

保護者の意識

今回のアンケート結果は、保護者の間に「はどめ規定」への強い違和感があることを示している。回答者の7割が不要と答えた背景には、子どものスマートフォンを通じて性に関する情報が容易に入手できる現代において、学校での正しい性教育の重要性が認識されていることがある。

性教育は単に生物学的な知識を伝えるだけでなく、人間関係や尊重、同意の概念など、幅広い内容を含む。国際的に見ても、包括的な性教育(CSE)の重要性が叫ばれる中、日本の「はどめ規定」は時代遅れとの批判もある。

今後、学習指導要領の改訂や規定の見直しが進むかどうか、注目される。

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