埼玉大学の新学長・重原孝臣氏が就任会見を開催 文理5学部の強みを生かした人材育成を強調
埼玉大学(さいたま市桜区)は、新学長に大学院理工学研究科長を務めていた重原孝臣氏(65歳)が今月就任し、6年ぶりの学長交代を迎えました。重原氏は7日に記者会見を開き、抱負を語りました。
文理5学部のキャンパス環境を「最大の強み」と位置付け
重原学長は、教養、経済、教育、理、工の5学部が一つのキャンパスに集まる環境を「一番の強み」と強調しました。この構成について、「人文学、社会科学、自然科学を基礎から応用までカバーしており、学生が学問の全体にいつでもアクセスできる利点がある」と説明しました。
さらに、「現代の社会課題は一つの分野だけでは解決できない。社会を支えることで生きがいを見いだし、自分らしい人生を送れる人材を育てることが埼玉大学の役目だ」と述べ、専門知と総合知を兼ね備えた人材育成の重要性を訴えました。
新組織「ALL SAITAMA ミライ機構」を発足 地域連携を強化
今月、新たな組織「ALL SAITAMA ミライ機構」を設立し、埼玉県全域で自治体や企業と連携して地域課題の解決につながる研究を推進する方針を明らかにしました。県北部にサテライトオフィスを設置する計画も示し、「県の北や西の方向にも目を向け、さまざまな社会課題に答えられるよう連携を強めていきたい」と語りました。
DEI推進と学費値上げによる施設整備
多様性・公平性・包括性(DEI)の推進では、大学院人文社会科学研究科にダイバーシティ科学専攻、教養学部に共生構想専修課程を開設しました。工学部には女子枠を設け、本年度の新入生から学費を20%値上げし、初年度の増収分は女子トイレの整備などに充てると説明しました。
重原学長は「今後、理工系女子学生のエンカレッジ(支援、促進)も進めていきたい」と述べ、多様性への取り組みを継続する意向を示しました。
新常勤理事3人も就任 教育学部の定員削減に言及
新常勤理事として、研究・産学官連携担当理事兼副学長に戸澤譲氏、教学・学生担当理事兼副学長に戸部秀之氏、総務・財務・施設担当理事兼事務局長に坪田知広氏が就任しました。戸部氏は、教育学部の定員削減が続いていることについて、「教員が足りず、全国で学校現場は苦労している。教員の質の向上が本当に大切になってきている。国立大学としては幅広いオールラウンダーを育てていかないと難しい」との見解を示しました。
重原学長の経歴と任期
重原孝臣氏は東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程を修了し、1997年に埼玉大学講師、2004年に教授に就任しました。工学部長、理事・副学長などを歴任し、今回の学長就任は14代目となります。任期は2032年3月末までの6年間です。
この就任会見を通じて、埼玉大学は文理融合と地域連携を軸に、新たな教育・研究体制を構築していく姿勢を明確にしました。



