高校「論理国語」教科書に小説増加、夏目漱石「こころ」34ページ掲載も
論理国語教科書に小説増、漱石「こころ」34ページ掲載 (07.04.2026)

論理国語教科書に小説が増加、夏目漱石「こころ」の長文掲載も

2027年度から使用される高校の「論理国語」教科書において、小説の掲載が増加する傾向が明らかになった。中には、夏目漱石の代表作「こころ」を30ページ以上にわたって載せる教科書も存在し、実用的な文章を扱うことを目的とした科目に、文学作品が浸透しつつある実態が浮かび上がっている。

論理国語と文学国語の分離とその背景

「論理国語」は、2018年の学習指導要領改訂により導入された選択科目である。高校国語が「文学作品の読解に偏りすぎている」との指摘を受け、実社会で役立つ力を育成することを重視。主に2、3年生向けの「現代文」を「論理国語」と「文学国語」に分割し、主に1年生向けの「国語総合」を「現代の国語」と「言語文化」に分ける改革が実施された。

教員の声と検定制度の影響

しかし、現場の教員からは「論理と文学を分けて指導するのは難しい」「1冊で両方を教えたい」といった意見が相次いだ。こうしたニーズを背景に、2020年度には第一学習社が「現代の国語」に小説5作品を掲載した教科書を申請し、検定で合格。さらに市場シェアで1位を獲得する結果となった。

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この動きに対し、他の教科書会社が反発し、文部科学省側が「文学作品の掲載が一切禁じられている訳ではない」とする異例の文書を発表する騒ぎに発展。結局、この教科書が先例となり、論理国語への小説掲載が広がる流れが決定づけられた。

教科書会社の意図と有識者の評価

教科書会社が論理国語に小説を載せたい理由としては、教員の要望に応えるためや、生徒の興味を引きつける教材の多様化が挙げられる。有識者からは、現状を評価する声がある一方で、国に対して今後の対応を求める意見も出ている。具体的には、学習指導要領の目的と実際の教育現場の乖離を埋めるための明確な指針が求められている。

このように、論理国語教科書への小説掲載は、もはや特別なことではなくなりつつある。夏目漱石「こころ」のような長編小説が30ページ以上も載る事例は、実用文中心の科目の変容を象徴しており、今後の国語教育の方向性に注目が集まっている。

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