鳥取に県内初の「学びの多様化学校」が2028年に開校 不登校生徒の学びを支える新たな教育の場
鳥取県内で中高一貫校などを運営する鶏鳴学園(鳥取市)は、2028年4月に文部科学省が認定する「学びの多様化学校」を鳥取市に開校することを明らかにしました。不登校の生徒の実態に配慮した特別な教育課程に基づく学校は県内初の試みとなり、生徒一人ひとりの特性に応じた最適な学びの場を提供することを目指しています。
不登校児童・生徒の増加に対応 独自の教育課程で支援
県内の小中高における不登校状態の児童・生徒は、2022年に1670人、2023年に1935人、2024年には2044人と増加傾向が続いており、10年間で約2.6倍に拡大しています。この深刻な状況を受け、鶏鳴学園は新たな教育の選択肢として学びの多様化学校の設立を計画しました。
同校では、不登校生徒の実態に配慮した独自の教育課程を編成し、以下のような特徴的な取り組みを実施します。
- 映像やAI(人工知能)を活用したオンライン授業を積極的に導入
- 集団授業と個別授業を生徒一人ひとりに最適化して組み合わせ
- 学習が遅れている生徒のための学習のやり直しや体験の時間を確保
横井司朗理事長は「色々な事情で、学習などが遅れている子たちの学習のやり直しや体験の時間が必要だ」と語り、多様な学びのニーズに応える学校づくりへの思いを明かしました。
専門的な支援体制と施設整備の計画
学校運営においては、学校心理士を管理職として採用し、特別支援教育士やスクールソーシャルワーカーを含む支援チームを組織します。さらに、学園が運営するフリースクール「すてっぷ」との連携も検討しており、包括的な支援の輪を広げる方針です。
施設面では、同市湖山町西で運営している「あすなろ高等専修学校」を解体し、その跡地に新校舎を建設します。校地は約1万3500平方メートルで、木造平屋の校舎を計画しています。解体工事は今年4月から開始し、新校舎は2027年12月に完成予定です。
あすなろ高等専修学校は、旧鳥取市立江山中を仮校舎として利用し、2027年度入学者の卒業をもって廃校となります。正式な校名については、1期生となる生徒たち自身に決めてもらうことを検討しているとのことです。
生徒の進路保証と自己発見の場を目指して
学びの多様化学校と認定される中学の定員は120~150人、普通科の高校は180~225人を想定しています。個々の学ぶペースを大切にし、生徒が楽しく通学できる環境づくりに力を入れます。
横井理事長は「学校で生きづらさを抱える子が楽しく通学でき、高校への進学が保証される学校にし、これからの自分を発見できる場所にしたい」と語り、不登校生徒の学びと成長を支える新たな教育機関への期待を表明しました。
この取り組みは、増加する不登校児童・生徒への対応として注目されるとともに、多様な学びの形を認める教育の在り方について、地域全体で考えるきっかけとなることが期待されています。



