京都大学が霊長類研究組織を大規模改編 手法別に拠点を分離
京都大学は3月5日、過去に研究費を巡る架空取引などの問題が発生した霊長類研究分野について、大規模な組織改編を2026年4月に実施することを正式に発表しました。今回の改編では、研究手法の特性に応じて「フィールド研究」と「実験的研究」を明確に分離し、それぞれ独立した組織と拠点を設置することが最大の特徴です。
ガバナンス強化のための相互チェック体制
組織統治(ガバナンス)の強化を目的として、両組織のトップがそれぞれの運営協議会に参加し、互いにチェック機能を果たす仕組みを構築します。この相互監視体制により、研究費の適正な使用や研究倫理の遵守を徹底し、過去の問題の再発防止を図ります。
実験的研究は愛知県犬山市で継続
チンパンジーなどの霊長類を飼育し、行動観察を通じて進化的な研究を行う実験的研究については、現在愛知県犬山市に設置されている「ヒト行動進化研究センター」を「ヒト行動進化研究所」に改称して実施します。名称変更に伴い、研究体制の強化と透明性の向上が期待されています。
フィールド研究は京都市内に集約
一方、野生のサルなどを対象とした自然環境下での観察研究であるフィールド研究は、これまで同センターでも一部実施されていましたが、今回の改編で京都市内のキャンパスに新設される「理学研究科付属霊長類フィールド研究センター」に集約されます。これにより、フィールド研究に特化した専門的な体制が整備されることになります。
京都大学関係者は「研究手法の特性に応じた最適な環境を整備することで、霊長類研究の質的向上と国際的な競争力強化を目指す」と述べており、2026年4月の実施に向けて詳細な移行計画を策定中です。



