高齢社会の成年後見制度、柔軟な支援へ法改正急務
高齢社会の成年後見制度、柔軟な支援へ法改正

高齢社会が急速に進展する中、誰もが安心して老後を過ごせる環境を整備することが喫緊の課題となっている。政府は、認知症や知的障害などにより判断能力が十分でない人々を支援する成年後見制度の抜本的な見直しを盛り込んだ民法改正案を閣議決定した。今後、国会で審議される運びだ。

成年後見制度の現状と課題

成年後見制度は2000年に導入され、家庭裁判所から選任された司法書士、弁護士、親族らが本人に代わり財産管理や生活支援を担ってきた。しかし、一度利用を開始すると死亡するまで後見人が付く「終身制」である点や、利用者が望まない支援まで受けざるを得ないケースがあるなど、使い勝手の悪さが長年指摘されてきた。

改正案の主な内容

改正案では、支援内容を利用者自身が選択できる「オーダーメード型」に変更する。また、補助の必要がなくなったと家庭裁判所が認定したり、家族からの申し立てがあった場合には、利用を終了できるようにする。

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厚生労働省の推計によると、認知症および軽度認知障害の高齢者は全国で1000万人以上に上る。一方、成年後見制度の利用者は昨年末時点で約26万人にとどまっており、制度の柔軟性を高めることで、支援を必要とする高齢者の幅広い利用を促進することが期待される。

首長申し立ての増加

同制度では、本人や親族に代わり居住地の市区町村長が利用開始を家庭裁判所に求める「首長申し立て」が増加しており、昨年初めて全国で1万件を超えた。本県では全申立件数497件のうち172件が首長による申し立てで、割合は34.6%と全国平均を10.9ポイント上回る。

背景には、身寄りがない、あるいは親族がいても支援が見込めない高齢者の増加がある。こうした人々の孤立を防ぐ取り組みも不可欠だ。

社会福祉法改正案

政府は、身寄りのない高齢者への支援強化を盛り込んだ社会福祉法などの改正案を国会に提出した。日常生活のサポートから病院の入退院時の身元保証、葬儀などの死後事務を社会福祉事業として位置付ける方針だ。

こうした支援は有料の民間サービスでも提供されているが、料金が高額になるなどのトラブルも報告されている。法改正により、経済力が十分でない人にも支援が行き渡るようになることは歓迎すべき点だ。

地域ごとの支援体制

事業は各地の社会福祉協議会などが主体となって行うことが想定されている。県内では都市部よりも山間部で高齢化が進んでおり、各社協は地域によって支援の質に偏りが生じないよう、自治体や地域の民生委員などと連携しながら高齢者のニーズに応えることが求められる。

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