総務省が29日に発表した2025年国勢調査の速報値(2025年10月1日現在)によると、北海道の人口は前回2020年調査から23万9195人減少し、498万5419人となった。これは1955年の調査以来、実に70年ぶりに500万人を割り込んだ数字であり、減少数・減少率ともに過去最大を記録した。
全道的な人口減少の実態
北海道の人口は1995年の569万2321人をピークに、今回で6回連続の減少となった。性別では男性が235万5629人(前回比4.4%減)、女性が262万9790人(同4.7%減)で、女性の減少率がやや高い。人口規模別では、3000人未満の市町村が前回から6増えて51市町村となり、過疎化が加速している実態が浮き彫りになった。世帯数も246万5414世帯と初めて減少に転じた。
増加した9市町村
全179市町村のうち、人口が増加したのは9市町村だった。増加率トップは占冠村の13.9%で、リゾート地としての人気を背景に観光関連産業で働く外国人従業員の増加が一因とされる。次いで南幌町が7.8%増で、札幌市内の地価上昇による転入増や、住宅補助・高校生までの医療費無償化などの子育て支援策が奏功している。町まちづくり課の担当者は「移住者の増加に向け、今後も支援を充実させたい」と語る。千歳市は0.2%増の9万8177人、恵庭市は0.8%増の7万918人で、ラピダス(東京)の半導体工場進出による作業員の流入が後押ししたとみられる。
札幌市の明暗
札幌市の人口は196万4034人で、全道に占める割合は39.4%と前回から1.6ポイント上昇し、一極集中が進んだ。しかし、前回から9361人減り、1920年の調査開始以来初めて減少に転じた。区別では、清田、厚別、南、手稲、東、北、白石の7区が0.5~3.9%減少。手稲、東、北、白石の4区は記録が残る1960年以来の減少という。一方、中央区(2.9%増)、豊平区(2.5%増)、西区(0.3%増)の3区は増加しており、地下鉄沿線の再開発が進むなど利便性の高さが寄与している。
市未来創生担当課は「少子高齢化の影響で、近年は自然減が転入超過による社会増を上回り、郊外を中心に影響が顕著に表れている」と分析する。鈴木知事は「今後も若者や女性に選ばれる地域づくりなど、豊かで安心して住み続けられるよう、総力を挙げて取り組む」とコメントした。
専門家の見解
国立社会保障・人口問題研究所の丸山洋平第2室長は「従来の人口減対策の効果は限定的だったと言わざるを得ない。さらなる減少を前提に、住民が安心して暮らせるよう、地域機能を実情に合わせて集約する『賢く縮む』地域づくりなどを進める必要がある」と指摘する。
「1票の格差」拡大
総務省は速報値を反映した衆院小選挙区(全289)の「1票の格差」試算も公表した。議員1人あたりの人口が最も少ない石川3区と比べ、2倍以上の格差があるのは39選挙区に上る。道1区(札幌市中央区、南区など)は2.134倍で全国10番目、道3区(同豊平区、清田区など)は2.132倍で11番目、道5区(同厚別区、千歳市など)は2.014倍で34番目に開きが大きかった。



