記録的少雨でダム湖底に沈んだ村の痕跡が出現 宮ケ瀬ダム貯水率過去最低37%
全国的に記録的な少雨が長期にわたり継続しており、各地のダムにおいて貯水率の著しい低下が深刻な問題となっています。干上がりつつある湖の底からは、ダム建設によって水没したかつての道路や橋、建物の跡など、過去の集落の痕跡が次々と姿を現し始めています。
宮ケ瀬ダムで過去最低の貯水率を記録
神奈川県の相模原市、愛川町、清川村にまたがる首都圏最大級の宮ケ瀬ダムでは、2026年2月15日現在、貯水率がわずか37%にまで落ち込み、過去最低を更新しました。この極度の渇水状態により、通常は水底に沈んでいる構造物が露出しています。
ドローンによる上空からの観察では、水没していた橋や道路、ガードレールが明確に確認できます。路面に描かれた速度制限を示す文字さえも識別可能であり、これらはいずれもダム建設によって湖底に沈んだ村の一部であったと推測されます。
乾いた湖底に広がる過去の遺構
ダムから南へ約4キロメートル、ダム湖に沿って県道を歩くと、湖面が次第に細くなり、その先には乾燥した地面が広がっています。この光景は、水資源の不足がもたらす異様な景観を如実に物語っています。
宮ケ瀬ダムの上流地域では、普段は水中にある道路の速度表示板が現れ、過去の生活の痕跡を想起させます。これらの遺構は、気候変動の影響による少雨が、単なる水不足だけでなく、歴史的な記憶をも浮き彫りにしていることを示唆しています。
大阪や愛知でも同様の現象が発生
この現象は神奈川県に限ったことではありません。大阪府において最大規模を誇る滝畑ダムをはじめ、愛知県など他の地域でも、渇水の影響で水没した遺構が次々と出現しています。全国的な少雨の傾向が、各地のダム湖で同様の状況を引き起こしているのです。
気候変動に伴う降水パターンの変化は、水資源管理に新たな課題を投げかけています。専門家からは、地下水の保全について、気候変動や土地利用の変化を見据えた議論の必要性が指摘されています。
今回の記録的少雨は、ダムの貯水率低下という直接的な問題に加え、水没した集落の痕跡を通じて、人間と自然の関わりの歴史をも浮かび上がらせています。今後の水循環政策においては、こうした多角的な視点からの対応が求められるでしょう。