チョルノービリ調査の研究者、桜咲く福島で線量測定を継続
チョルノービリ研究者、福島で線量測定継続

チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故の調査を長年手がけてきた元京都大助教の今中哲二さん(75)が、2011年の東京電力福島第一原発事故後、福島県飯舘村で放射線量の測定を継続している。定年後も非常勤研究員として活動してきたが、今年3月で退職。今中さんは「今後も続けたいが、年齢的にいつまで体力がもつかわからない」と語る。

桜咲く村での定点観測

4月18日、今中さんは広島大教授の遠藤暁さんらとともに車で村内を巡り、GPSを確認しながら線量を測定した。車内外で線量を確認し、モニタリングポストの値も記録。調査地点の周辺では桜が満開で、東日本大震災後に植えられた多くの桜が成長していた。今中さんは「若木の時から見ているけど、立派になってるなあ」と感慨深げに語る。

線量の変化と残る課題

事故直後と比べ線量は大幅に低下したが、峠の切り通しや山からの土砂が堆積した場所ではやや高い値を記録。遠藤さんは「除染していない山の中はもっと高いはず」と指摘する。2011年に毎時30マイクロシーベルトを記録した長泥地区の荒れ地は、約1マイクロシーベルトまで減少。今中さんは「除染後に大きく下がったが、自然減衰だけでも2マイクロシーベルト程度になっていたと思う」と分析する。

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セシウム137の長期影響

東京電力福島第一原発から放出された放射性物質のうち、現在も影響が大きいのはセシウム137。半減期は30年で、今後線量は徐々にしか減少しない見通しだ。浪江町との境付近では毎時1.32マイクロシーベルトを記録した。

変わりゆく村の風景

車窓からは、農作業が再開されたエリアや、荒れた田畑、太陽光発電所が広がる場所など、多様な景観が広がる。居住者は約1500人で、震災前の4分の1程度。民家の跡地も目立つ。この日、午前9時から8時間かけて記録した地点は約230カ所に上った。

今中さんは「おおむね想定通りの値だった。事故の影響が無視できるようになるには100年単位の時間がかかるでしょう」と語る。チョルノービリの経験を生かし、福島での測定を続ける研究者の視点は、災害の長期影響を考える上で貴重だ。

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