ごみの削減に向けて、収集の有料化は有効な手段の一つとされる。しかし、家計への新たな負担を生むという課題もあり、導入にあたっては自治体による住民への丁寧な説明が不可欠だ。
東京23区の有料化検討
東京都の23区では、現在無料で行われている家庭ごみの収集を有料化する方向で検討が進んでいる。具体的には、可燃ごみと不燃ごみについて、住民が1リットルあたり1円の指定ごみ袋を購入する方式が想定されている。
この背景には、23区で出たごみの焼却灰などを廃棄する都の最終処分場が、あと50年で満杯になるという問題がある。新たな処分場の建設は困難であり、収集の有料化によってごみの排出量を抑制したい考えだ。
既に東京都内では多摩地域の自治体などが収集を有料化しており、小池都知事も23区に対して有料化を促している。できる区から先行して実施することも一案だろう。
全国的な課題と国の目標
ごみの削減は全国的な課題である。自治体などが利用する最終処分場は、今後平均約25年で満杯になると推定されている。また、ごみ処理施設の維持管理費用も、人件費や燃料費の高騰によって膨らんでいる。
国も有料化を推進しており、自治体の7割は既に有料のごみ袋やシールを導入している。例えば、2006年に有料化した京都市では、家庭ごみが大幅に減少したという実績がある。
国は、2024年度に約3811万トンだった家庭ごみなどの総排出量を、2030年度に約3700万トンに減らす目標を掲げている。990万人が暮らす23区が有料化に踏み切れば、削減効果は大きいと期待される。
住民説明と透明性の重要性
物価高が続く中で新たな負担が生じることに対して、不満を持つ住民もいるだろう。そのため、有料化を実施する際には、ごみを減らす必要性を住民に理解してもらう努力が欠かせない。
4月にごみ収集の有料化を導入した福島県会津若松市では、検討を進めた審議会の議事録などを随時公表し、透明性を高める取り組みを行った。
有料化後の課題と対策
ごみ袋代の形で収集を有料化しても、住民が慣れてくるとごみが再び増える恐れがある。また、ごみ袋の購入を避けて、路上や山林などへの不法投棄が増える懸念も指摘されている。
これらの課題に対して、どのように対応するのか。事前に検討しておくことが重要だろう。
有料化以外の取り組み
有料化以外にも、できることは少なくない。スーパーで販売する肉や魚の包装に使われる食品トレーなどの回収やリサイクルはその一例だ。洋服などの中古品の再活用もさらに進めたい。
また、事業者が配達物の過剰包装をやめるなど、ごみの発生そのものを抑える取り組みが重要である。



