水道データからAIが空き家を推定、広島県で新システム運用開始
水道データからAIが空き家を推定、広島県で新システム

広島県は2026年4月から、人工知能(AI)を活用して水道の利用状況から空き家を推定するシステムの本格運用を開始した。これまで市町の職員が一軒ずつ現地確認を行っていた空き家調査の負担を大幅に軽減し、効率的な対策につなげる狙いがある。

新システム「ATLAS」の概要

このシステムは「県空き家推定システムATLAS(アトラス)」と名付けられ、東京都市大学の秋山祐樹教授らの監修のもと、広島県が構築した。各市町の担当者が水道の使用量や閉栓状況などのデータをアップロードすると、建物の築年数などの情報と組み合わせて、AIが空き家かどうかを推定する。県による検証では、約80%の精度で正しく判定できたという。

空き家問題の現状

総務省の「住宅・土地統計調査」(2023年)によると、広島県内の空き家数は23万1400戸で、前回調査(2018年)から1万5800戸増加。空き家率は15.8%と、全国平均の13.8%を上回っている。古い空き家は災害や火災時に危険が高まるほか、犯罪グループの拠点として悪用される懸念もある。

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期待される効果

これまで各市町は空き家の実態調査に多くの労力を費やしてきたが、人口減少や高齢化で空き家が急増し、職員が水道情報を一軒ずつ照合して現地確認する方法では負担が大きくなっていた。ATLASの導入により、空き家とみられる建物を迅速に絞り込めるようになり、空き家バンクへの早期登録など対策の迅速化が期待される。また、地図上に空き家を可視化することで、都市計画や防災計画の策定にも活用できる。

個人情報への配慮と民間活用

県は、空き家一軒ごとの情報ではなくエリア別の状況を色分けするなど、個人情報が特定されない形でデータを民間向けにも公開し、地域活性化に役立てる方針だ。県住宅課の中野祥司課長は「行政がすでに保有する情報から空き家を推定できる。市町と連携しながら、さらなる改善を検討したい」と述べている。

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