岩手県大槌町は30日、山林火災で長井地区の17世帯24人に発令していた避難指示を全面的に解除した。火災の完全な鎮圧には至っていないものの、延焼は停止しており、町内全域で避難の必要性がなくなったと判断した。
避難指示解除の経緯
長井地区では、火災の影響で落石の危険性が高まり、道路が崩落して集落が孤立する恐れがあるとして避難指示が出されていた。しかし、30日までに安全対策が完了したため、指示を解除する運びとなった。
平野公三町長は記者会見で「安心が完全に担保されたとは言えず、何か異変がないか注意を続けてほしい」と住民に呼びかけた。また、避難所に身を寄せる人数も減少し、30日朝の時点で7世帯13人となっている。
交通機関と学校の再開
町内の公共交通機関は29日から通常運行に戻っており、岩手県交通バスや町民バスなどが平常通り運行している。さらに、休校中だった小中学校や高校も5月1日から再開される予定だ。
今後の気象と警戒
気象台の予報によると、5月2日にかけて総雨量120ミリの降雨が見込まれている。火災で山の斜面が崩れやすくなっている可能性があり、平野町長は「気象状況を見ながら、危険が迫る状況があれば躊躇なく避難情報を出したい」と述べ、警戒を続ける姿勢を示した。
鎮圧に向けた消火活動
火災はまだ「鎮圧」段階に達しておらず、危険性のない状態を目指して、県内外から集まった約1600人の消防隊員による消火活動が続いている。釜石大槌地区行政組合消防本部によると、赤外線装置を使って地表下の熱源や火種を探し出し、放水を行っている。隊員が立ち入り困難な山奥では、防災ヘリコプターやドローンによる上空からの対応が行われている。
沢田正次長は「我々はここからだと思っている。多くの人手や長い時間がかかるのが林野火災。予防と啓発にも力を入れていきたい」と語った。
火災発生から9日目を迎えた大槌町では、中心部でも一時は周辺の山々で複数の火の手が上がるなど、緊張が続いた。現在も消防隊による警戒と消火活動が昼夜を問わず続けられている。



