石鎚山で遭難多発、県警が看板新設し救助訓練を実施
石鎚山で遭難多発、県警が看板新設し救助訓練

石鎚山での遭難防止へ新たな取り組み

登山シーズンを迎え、愛媛県西条市と久万高原町にまたがる西日本最高峰の石鎚山(標高1982メートル)が多くの登山者で賑わいを見せている。しかし、県警の発表によると、県内で昨年発生した山岳遭難29件のうち、過半数を超える19件が石鎚山系に集中していることが明らかになった。この事態を受け、県警は登山ルートの誤りによる遭難を防ぐため、新たな案内看板を設置したほか、10日から12日にかけて石鎚山周辺で救助訓練を実施し、山岳遭難への対応力を強化する方針だ。

石鎚山の魅力と危険性

石鎚山は日本百名山の一つであり、修験道の聖地としても知られる。秋の紅葉など四季折々の景観が魅力で、ロープウェイなどの整備が行き届いているため、初心者でも比較的登りやすいことから年間10万人以上の登山者が訪れる人気の山だ。

主な登山ルートは2つある。子どもや初心者でも登りやすい「土小屋ルート」(片道約4.6キロ、所要時間約2時間半)と、岩場や崖を鎖で伝う「鎖場」がある中級者向けの「成就ルート」(同約4.7キロ、同約3時間半)だ。両ルートは山頂手前の「二の鎖」と呼ばれる岩壁付近で合流する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

ルート誤りによる遭難が多発

特に問題となっているのが、土小屋ルートを登った登山者が下山時に成就ルートに誤って進入し、下山できなくなるケースだ。昨年8月上旬には、70歳代の男性が土小屋ルートを登った後、下山時に成就ルートに誤進入。足の痛みで自力歩行が困難となり、救助要請から約3時間後の午前0時過ぎに救助された。

NPO法人「山のボランティアNetwork」の渡辺二孝副代表によると、ルート誤りの要因として、下山時に成就ルートがまっすぐ大きな道であるのに対し、土小屋ルートは右に直角に曲がる必要があることや、登頂後の安心感や疲労から分岐点を通り過ぎてしまうことなどが挙げられる。

新たな看板設置と救助訓練

このような状況を受け、西条署山岳警備救助隊は5月6日、遭難防止のため分岐点から成就ルートに進んだ50メートル地点と100メートル地点に、「ロープウェイ方向」などと明記した看板を設置した。

県警地域課によると、県内の昨年の山岳遭難は前年より8件増加。遭難者30人(前年比9人増)、死者6人(同5人増)、負傷者9人(同1人増)と、いずれも前年を上回った。西条署の萩山誠副署長は、「特に夜間救助は遭難者、救助側双方に大きな危険が及ぶ」と指摘し、「体力や時間を考慮した余裕のある登山を心がけてほしい」と呼びかけている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ