川崎市において、業者や関係団体に対する委託費の支払いや補助金の執行が遅れる事案が相次いでいることが、10日の市議会代表質問で明らかになった。この問題は、市民の行政に対する信頼を揺るがしかねない深刻な事態として注目を集めている。
教育委員会での支払い遅延
市教育委員会では、市立学校におけるごみの収集・運搬業務に関して、昨年11月から今年3月までの期間分の委託費用、約5千万円の支払いが遅れていたことが報告された。この件については、嶋凌汰議員(みらい)の質問に対し、田中一平教育次長が答える形で明らかになった。
こども未来局と健康福祉局でも未払い
こども未来局では、児童相談所で一時保護された子どもたちに給食やおやつを提供するため、地域の小売店から購入した食材料費が未払いとなっていた。対象は昨年12月から今年2月までの分で、金額は約700万円に上る。また、健康福祉局では、昨年9月に開催された全国大会に参加した市民生委員児童委員協議会への補助金130万円が未払いだった。これらの未払い金は、いずれも今年5月に支払いが完了したという。
会計管理者の見解
谷村元会計管理者は、2025年度において、これら以外にも6件の支払い遅延が確認されたと述べた。その上で、これらの事案は「支払遅延防止法に抵触する」との見解を示した。同法は、公共機関が委託費などを期限内に支払うことを義務付けており、違反した場合には遅延損害金の支払いが必要となる。
議員の指摘
嶋議員は、業者側が遅延損害金を請求しなかったことを踏まえ、「市民が税金を滞納した場合は延滞金を含めて厳しく請求する一方で、自分たちの事務ミスについては相手の好意に甘えるのでは、市民の行政に対する信頼を大きく損なう」と厳しく指摘した。この指摘は、行政の二重基準に対する批判として、議会内で大きな反響を呼んだ。
市バス事業の財政改善
また、菅谷英彦議員(自民)は、企業会計補正予算案において燃料費が本年度当初予算の倍以上に増額された市バス事業について、財政収支改善の方向性を質した。これに対し、水沢邦紀交通局長は「料金改定を検討するとともに、コスト抑制の取り組みを進め、安定的に市バスサービスを提供していく」と述べ、今後の対応方針を示した。
今回の一連の支払い遅延問題は、行政の内部管理の甘さを露呈した形となり、市民の信頼回復が急務となっている。市は再発防止策を早急に講じる必要がある。



