川崎クレーン事故、重り落下で作業員5人が転落 3人の死因が明らかに
川崎市川崎区扇島のJFEスチール東日本製鉄所京浜地区で発生した大型クレーン解体事故で、神奈川県警は9日、転落した男性作業員5人のうち死亡した3人の死因を発表しました。事故は7日に発生し、解体中のクレーンからバランスを取るために設置されていた巨大な重りが落下。作業員5人はこの重りの上で作業中だったとみられ、県警は重りとともに約35メートルの高さから転落したと見て関係者への聞き取りを進めています。
司法解剖で判明した3人の死因
県警の発表によると、司法解剖の結果、死亡した3人の死因は以下の通りです。
- 千葉ケン志朗さん(19):全身打撲による外傷性ショック
- 小池湧さん(29):頭蓋骨骨折による出血
- 上山勝己さん(43):脳幹部の損傷
いずれも高所からの転落による重篤な損傷が確認されました。事故現場では9日朝から行方不明者の捜索が再開され、10日も継続して行われています。
解体作業の詳細と重りの状態
JFEスチールから解体工事を請け負っていた東亜建設工業(東京)によると、現場では昨年から大型クレーンの解体が進められていました。事故当時、5人の作業員はクレーンのバランスを取るために設置されていた巨大な重りを軽量化する作業に従事していました。
この重りは直径6メートル、長さ9メートル、重量500トンという巨大なもので、内部のコンクリートを重機で掘削して軽くする作業が行われていました。東亜建設工業の説明によれば、作業開始時からすでに重りの重量は約100トン減少していたとのことです。
強風注意報が出る中の作業環境
川崎海上保安署などの情報によると、事故が発生した7日には川崎市に強風注意報が発令されており、現場付近の風速は10メートル程度でした。東亜建設工業は現場に風速計を設置しており、危険と判断される風速が記録された場合には作業を中止する運用をとっていました。
同社によれば、今回の事故時には風速計の数値が作業中止基準に達しておらず、通常通りの作業が行われていたということです。しかし、強風注意報が発令される気象条件の中での作業であったことが事故の背景にある可能性も指摘されています。
現在、神奈川県警と海上保安庁は合同で行方不明者の捜索を続けるとともに、事故の詳細な原因究明を進めています。労働安全衛生法に基づく調査も行われる見込みで、同様の事故の再発防止策が求められています。



