古い照明器具の発火事故が多発 NITEが10年以上使用の製品に緊急注意喚起
製品評価技術基盤機構(NITE)は、古い蛍光灯用の照明器具に発光ダイオード(LED)を取り付けて使用し、器具の劣化に気づかず発煙や発火が起きる事故が相次いでいるとの深刻な報告を公表しました。使用年数が推定可能だった133件の事故事例を詳細に分析した結果、驚くべきことに約9割が10年以上使用された製品によって発生していたことが明らかになりました。
器具本体の経年劣化が火災の主要因に
NITEの専門家によれば、水銀に関する国際的な規制を背景に、家庭やオフィスで一般的に使用されるすべての蛍光灯の製造および輸出入は、2027年末までに完全に終了する予定です。この流れを受けて、多くの消費者が既存の照明器具のランプ部分だけを蛍光灯からLEDに置き換えるケースが増加しています。
しかし、ここに重大な落とし穴があります。古い照明器具の本体そのものが長年の使用によって劣化している場合、たとえランプを新しいLEDに交換したとしても、内部の配線や部品が損傷している可能性が高いのです。このような状態で使い続けると、予期せぬ発熱やショートが生じ、火災を引き起こす危険性が極めて高まります。
具体的な事故事例から見える深刻な実態
実際に発生した痛ましい事故の例をいくつか紹介します。島根県では2023年、照明器具の内部で重要な部品が脱落し、それが原因で火災が発生しました。調査の結果、この器具はなんと48年以上も使用され続けていたと推定されています。
さらに東京都内では2018年、使い始めてから30年以上が経過した照明器具のランプを蛍光灯からLEDに交換した際、不要になった古い部品をそのまま放置していたケースがありました。その後、送電線の事故に伴う電圧低下が発生したとき、適切に処理されていなかった部品が影響し、LEDが焼損する事態に発展しました。
安全のための具体的な対策と推奨事項
NITEは消費者に対し、以下の点を強く呼びかけています。
- まず、ご自宅や職場の照明器具の製造年数や使用開始時期を確認してください。10年以上使用している場合は、特に注意が必要です。
- ランプ部分だけを交換するのではなく、照明器具そのものを丸ごと新しい製品に取り替えることを強く推奨します。これにより、内部の劣化した部品によるリスクを根本から排除できます。
- LEDへの切り替えを検討している場合、専門家のアドバイスを受け、器具全体の状態を総合的に評価することが不可欠です。
これらの事故は、単なる機器の故障ではなく、人命や財産を脅かす重大な火災へと発展する可能性を秘めています。照明器具の定期的な点検と、適切な時期での交換が、安全な日常生活を守る上で極めて重要であることを改めて認識する必要があります。



