新名神高速道路で6人が死亡した痛ましい事故の初公判が、津地方裁判所で8日に行われた。大型トラック運転手の水谷水都代被告(54)は、傍聴席や検察官に向かって深々と2回頭を下げ、起訴内容を認めた。しかし、法廷で明らかになったのは、脇見運転が常態化していた衝撃的な実態だった。
事故直前の13秒間、TikTokに夢中
検察側が証拠調べで読み上げた被告の供述調書によると、事故を起こすまでの13秒間にわたり、スマートフォンの画面を見続けていたという。被告は「料理動画のスクリーンショットを撮ったが、料理ではなく手が写ってしまい、撮り直そうとタイミングをうかがっていたところ、目前に被害車両があった」と供述した。
さらに、運転中にスマートフォンを見ていたのはこれが初めてではなかった。ながら運転が厳罰化された後も、ダッシュボードにスマートフォンホルダーを取り付け、ハンズフリーで同僚と通話する時以外は、ほぼ常に動画を流していたという。
事故当日の行動
事故当日も、被告は同僚と通話した後、事故の約2分前からTikTokの動画を見始めていた。事故後の調べでは当初、脇見の理由を「運転日報を探すため」と説明していたが、スマートフォン内の画像を示されて、ようやくTikTokを見ていたことを認めた。
遺族の処罰感情と被告家族の対応
事故から約3カ月。証拠調べでは、遺族の強い処罰感情も明らかになった。一方、証人として法廷に立った被告の夫は、いまだに遺族に被告から謝罪をしていないと述べた。理由について「これから自分たちがどうなるかも分からない」「どうすればいいか分からない」と繰り返し、「自分たちのことで目いっぱいだから」と話した。
さらに、遺族の代理人弁護士から事故現場で手を合わせたことがあるか問われると、夫は「場所を知らない。考えたことがなかった」と答えた。



