PFAS汚染問題で市民団体が都に血液検査の公費助成を求める署名開始
PFAS汚染で市民団体が都に血液検査助成求め署名

発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)による東京・多摩地域の水道水源汚染問題で、市民団体「多摩地域のPFAS汚染から命と健康を守る連絡会」が、公費による血液検査を東京都に求める署名活動を5月下旬から開始した。同団体は8月末までに署名を集計し、都に提出する予定だ。

市民団体の訴え

連絡会事務局の根木山幸夫氏は「いまだに不安を感じる住民は多い。都として大規模な調査に乗り出してほしい」と訴える。同連絡会の前身団体などが2022年と2023年に実施した自主的な血液検査では、国分寺市と立川市で深刻な汚染が判明。米国の学術機関が示す「健康被害の恐れがある」とする指標を超えた参加者の割合が、国分寺市で93%、立川市で75%に上った。

多摩地域の現状

多摩地域では、7市に所在する浄水施設の井戸44カ所がPFAS汚染の影響で取水を停止している。さらに、2005年の時点で現在の水質基準を超えるPFASが検出されていた井戸もあり、住民が水道水を通じて長年PFASを体内に取り込んだ可能性がある。汚染源の一つとして米軍横田基地(福生市など)が疑われている。

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全国の自治体の取り組み

全国でPFAS汚染が見つかる中、血液検査に取り組む自治体も出ている。岡山県吉備中央町は2024年、全国で初めて公費での血液検査を実施。千葉県鎌ケ谷市は民間の飲用井戸で高濃度のPFASが検出されたことから、医療機関での血液検査費用を助成している。石川県白山市は今年5月、汚染された井戸水を飲んだ住民を対象に血液検査を行った。

環境省は2024年11月に公表した自治体向けの対応手引の改訂版で「疫学研究をする上で、血液検査も考えられる」と明記し、自治体がPFASの血液検査をする有効性を一定程度認めた。

東京都の消極的な姿勢

しかし、東京都は血液検査に消極的な姿勢を続けている。都保健医療局の佐藤弘和担当課長は取材に対し「議会で答えてきた通り、血中濃度での健康影響の評価は困難だという認識だ。(都が)疫学研究としてPFASと疾病の関係性を見いだすのも難しいのではないか」と語る。

これに対し、公害問題に詳しい中下裕子弁護士は「都は費用を負担するだけで、研究者が血液検査を実施する形をとればよい」と提案する。「都道府県は主に公衆衛生の責任を負っており、健康被害があるかないかを調べようともしない姿勢は許されない。多摩地域の汚染は基礎自治体間にまたがって発生している。横断的な調査には都の関与が必要だ」と指摘する。

専門家の意見

PFAS問題に詳しい京都府立大の原田浩二教授(環境衛生学)は「血中のPFAS濃度が分かれば、PFASによる健康影響を防ぐための健康管理に生かすこともできる。都は疫学研究と同時に、地域の健康課題解決という目的で、血液検査に取り組んでいくべきだ」と訴えた。

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