詐欺の手口をLINEで体験、岡山県とソフトバンクが共同開発
詐欺の手口をLINEで体験、岡山県とソフトバンクが開発

警察官を装った男からテレビ電話がかかり、逮捕状を見せられる――。これは急増するニセ警官による詐欺の典型的な手法です。こうした詐欺の手口を疑似体験できるLINEツールを、岡山県と通信大手のソフトバンクが共同で開発しました。県の担当者は「犯人の手口を理解してもらい、少しでも被害者を減らしたい」と利用を呼びかけています。

体験できる5種類の詐欺

このツールでは、「ニセ警察詐欺」の場合、警官を名乗る男から「あなた名義の携帯電話と銀行口座が犯罪に使われています」などと電話が入ります。犯罪との無関係を証明するため指示に従うよう促され、逮捕状の画像も送られてきます。体験者がLINEで届く指示に従い続けると、送金したことになり、詐欺に騙された状態を体験できます。

架空の投資を持ちかける「SNS型投資詐欺」版では、身に覚えのないグループLINEで男が年利20%の投資プランを紹介。LINEのやり取りの中で、男を信用させるような発言をする「サクラ役」が登場する巧妙さも再現されています。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

このほか、恋愛感情や親近感を抱かせて金を騙し取る「SNS型ロマンス詐欺」や「闇バイト」など、合計5種類の詐欺手口を体験できます。県のホームページなどからQRコードを読み取れば、いつでもどこでも誰でも利用可能です。

開発の背景:止まらない特殊詐欺被害

このツール開発の背景には、県内で後を絶たない特殊詐欺被害の実態があります。県警によると、特殊詐欺の県内認知件数は1~4月で179件(被害額約15億7400万円)で、前年同期の151件(約6億円)を上回っています。内訳は「SNS型投資詐欺」が62件(約9億4200万円)で最多、「ニセ警察詐欺」が42件(約3億8010万円)、「SNS型ロマンス詐欺」が17件(約7560万円)などとなっています。

今回の開発に先立ち、2025年4月に県は香川県警とソフトバンクが共同開発した別のツールを導入していましたが、専用端末からのみ体験可能で、防犯講話参加者に限られていました。そこで、より手軽に利用してもらうため、県と同社が3月に締結した協定に基づき、独自のツールを開発。体験できる犯罪は県警が監修し、県内で被害の多いものに特化しています。

実際の体験会の様子

先月27日、ツールのリリースに合わせて岡山市南区の児童館で行われた防犯講話では、集まった高齢者23人が3種類の詐欺手口を体験しました。参加した近くの自営業・井上洋子さん(70)は「犯人がどんな手口を使うのか初めて知った。今後同じようなLINEが来たら、今日の内容を思い出して引っかからないようにしたい」と話しました。

県くらし安全安心課の大場優香総括参事は「チラシや講習で知識として詐欺の手口を知るだけでなく、実際に体験してもらえれば心構えができる。何度も使って、万が一に備えてほしい」と利用を呼びかけています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ