万博EVバス不具合で関東の8自治体・事業者に影響、足立区は運行休止へ
万博EVバス不具合、関東8自治体・事業者に影響

大阪・関西万博で来場者輸送に使用された「EVモーターズ・ジャパン」(EVMJ、北九州市)の電気自動車(EV)バスで不具合が相次いだ問題で、東京都足立区がコミュニティーバスで運用する同社製EVバス4台の運行を休止することが明らかになった。メンテナンス体制への懸念が理由だ。また、茨城県古河市も同社のEVバスについて、契約期間満了後に別のディーゼル車へ切り替える方針を固めた。

足立区と古河市の対応

足立区は2022年度と2024年度に計4台を導入し、コミュニティーバス「はるかぜ」の一部路線で運行してきた。バス事業者によると、エアコンの配管から冷媒ガスが漏れる不具合が発生し、3台の部品を交換したが、大きなトラブルはなかったという。しかし、区の担当者は「EVMJが民事再生法の適用を申請したことで、長期的なメンテナンス体制に疑問が生じた」と説明。代替バスが調達でき次第、運行を停止する方針だ。

一方、古河市では2024年4月に2台を導入し、コミュニティーバス「ぐるりん号」として運行してきた。これまでにコンプレッサーの不具合によるハンドル操作不能やドライブギアの切り替え不良など4件のトラブルが発生。EVMJは修理や部品交換を行わず、バス事業者での対応を求めたこともあった。同市は理由を「リース料金がかさむため」と説明している。

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関東圏の導入状況とトラブル

東京新聞の調査によると、関東圏では足立区と古河市のほか、東京都の港区、大田区、渋谷区、川崎市が計12台のEVMJバスをコミュニティーバスに採用。さらに箱根登山バスが4台、富士急グループが5台を運行している。これらのうち4つの自治体・事業者で、充電設備の不良による2週間の運行停止や車軸からの異音などの不具合が発生。いずれも「安全性に関わる深刻なトラブルではない」とし、点検や部品交換を実施しながら使用を続ける方針だ。

EVMJの現状と専門家の指摘

EVMJは万博向けに190台を含む全国331台を納入。国土交通省の総点検では113台にブレーキ部品の損傷などが確認され、リコールが行われた。同社は中国メーカーにOEM生産を委託していた。自動車ジャーナリストの加藤久美子氏は「海外OEMは一般的だが、コストや納期優先で品質にばらつきが生じる。小規模事業者への対応が不十分で、部品調達も困難だった」と指摘。国交省は「不具合の予見は困難」と説明するが、加藤氏は「表面化していないトラブルもあり、国が責任を持って検証すべき」と訴えている。

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