佐賀県警の科学捜査研究所(科捜研)の元職員がDNA型鑑定で不正を繰り返していた問題で、警察庁は4日、県警に対する特別監察の結果を公表した。これにより、県警の当初調査から新たに110件の鑑定が不適切と認定され、不正の総数は239件に達した。元職員が担当した643件の鑑定の約4割に相当する。警察庁は同日、県警の調査が不十分だったとして福田英之本部長を業務指導処分とし、全国の警察に再発防止策を通達した。
本部長が謝罪会見
佐賀県警の福田英之本部長は4日、県警本部で記者会見を開き、「一連の行為は科学捜査や県警、警察活動への信頼を大きく損なうものであり、県警の責任者としておわび申し上げます」と陳謝し、深く頭を下げた。会見は約1時間20分に及び、福田本部長は机の資料に目を落としながら慎重に言葉を選んだ。
新たな不正発覚と対応の不備
県警の調査結果から新たに110件の不適切な取り扱いが認定されたことについて、福田本部長は「当時の調査に不十分な点が認められ、大変重く受け止める」と述べた。また、警察庁の報告書では、不正の発覚後も元職員が鑑定試料を扱える状況にあった措置が不適切だったと指摘された。当初把握した不正は鑑定行為ではなく決裁書類の不備だったが、「県警として対応が十分とは言えなかった」と認めた。
第三者調査は行わず
一方、佐賀県議会や同県弁護士会が求めている第三者による調査については、外部の有識者や科学警察研究所幹部の助言を得て特別監察が行われたことから、「精緻かつ徹底した事実解明が行われたと理解している。特別監察の受監で応えることができた」と述べ、行わない意向を示した。
これに対し、同県弁護士会は「(特別監察で)県警の調査に問題があったと指摘したことを踏まえても、身内による内部調査の域を出ない。引き続き第三者による調査を求めていく」とコメントした。



