交際相手の女児に全治不能のけが、傷害罪で無罪判決…大阪地裁が判断
大阪府茨木市で2021年3月、生後4か月の女児の頭部に暴行を加え、全治不能のけがを負わせたとして、傷害罪に問われた母親の交際相手だった男性被告(47歳)に対し、大阪地裁(三輪篤志裁判長)は13日、無罪判決を言い渡しました。検察側は懲役6年を求刑していましたが、裁判所はこれを退けました。
事件の経緯と争点
男性は2021年3月14日午後、女児と母親らが暮らす茨木市の集合住宅で、女児の頭部に何らかの暴行を加え、急性硬膜下血腫など全治不能のけがを負わせたとして、2022年に逮捕・起訴されました。公判では、意図的に強い力を加えてけがをさせる「虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)」に該当するかどうかが主な争点となりました。
裁判所は、証拠や証言を詳細に検討した結果、AHTの要件を満たす確証が得られないと判断しました。具体的には、女児のけがが偶発的な事故による可能性も排除できず、男性の故意や過失を立証するには不十分であると指摘しました。このため、傷害罪の成立を認めず、無罪判決に至りました。
社会的な反響と今後の課題
この判決は、乳幼児虐待事件における司法判断の難しさを浮き彫りにしています。AHTは医学的に複雑な要素が絡むため、裁判では専門家の意見が大きく分かれるケースも少なくありません。今回の事件では、検察側が提出した医学的証拠が、男性の暴行を直接証明するには至らなかったことが判決の背景にあります。
また、この判決は、被害者である女児とその家族への影響も考慮されています。女児は全治不能のけがを負っており、今後の生活や医療ケアが大きな課題となっています。裁判所は、刑事責任の有無とは別に、社会的な支援の必要性を強調する形で判決を下しました。
今後、同様の事件では、より精密な医学的鑑定や証拠収集が求められるでしょう。司法と医療の連携を強化し、被害者の保護と公正な裁判の実現を目指す動きが期待されます。



