宮崎県警パワハラ自殺訴訟で遺族に正式謝罪、警務部長が陳謝
宮崎県警日向署に勤務していた男性警察官(当時30歳代)が2019年に自殺した問題を巡り、上司からのパワーハラスメントや長時間労働が原因として両親が県に損害賠償を求めた訴訟で、宮崎県に計約2900万円の支払いを命じた宮崎地裁判決が確定した。この判決を受け、宮崎県警の奈良文代警務部長が4日、遺族と直接面会し、公式に謝罪の意を表明した。
警務部長「安全配慮が十分でなく尊い命を失わせた」
奈良警務部長は遺族に対し、「県警における安全配慮が十分でなく、尊い命を失わせてしまったことに対し、深くおわびする」と陳謝した。さらに、再発防止に向けた取り組みと良好な職場環境の確保に全力で努める考えを伝えたという。県警関係者によれば、この面会は判決確定後の正式な対応として実施され、組織としての責任を認める姿勢を示したものとされる。
遺族「二度と息子のような犠牲者を生み出さないで」
謝罪を受けた遺族側は、弁護士を通じてコメントを発表。「今後、二度と息子のような犠牲者を生み出さないように、県警が真摯に職場環境の改善に努めることを願う」と述べ、組織的な改革を強く求めた。この事件は、警察組織内部の労働環境やハラスメント問題に改めて焦点を当てる契機となっている。
高井本部長「判決を重く受け止め、受け入れる」
宮崎県警の高井良浩本部長は5日、県議会定例会の議案に関する質疑において、判決確定後の対応について説明した。高井本部長は「判決内容を精査した結果、裁判所の判決を重く受け止め、受け入れることとした」と述べ、組織として判決を尊重する姿勢を明確にした。県議会では、今後の再発防止策や職場環境整備に関する具体的な計画についても議論が深まることが予想される。
この訴訟では、男性警察官の自殺が上司からの継続的なパワハラと過酷な長時間労働に起因すると認定され、県の安全配慮義務違反が認められた。判決確定により、県は約2900万円の損害賠償を支払う義務が生じ、県警は内部の労働環境見直しを迫られる形となった。専門家は、公務員組織におけるメンタルヘルス対策やハラスメント防止の重要性が改めて浮き彫りになったと指摘している。



