詐欺被害防止へ警察庁がアプリを初推奨 2026年にはホワイトリスト機能も実装
特殊詐欺の被害拡大を食い止めるため、警察庁は民間事業者が開発した詐欺対策アプリを初めて推奨制度で認定しました。このアプリはスマートフォンに無料でダウンロードでき、詐欺が疑われる電話番号を自動的に遮断したり、警告を表示したりする機能を備えています。過去最悪の被害額が報告される中、警察庁は国民への積極的な活用を呼びかけています。
認定された二つのアプリとその機能
警察庁の推奨認定を受けたのは、NTTタウンページとトビラシステムズが共同開発した「詐欺対策 by NTTタウンページ」と、トレンドマイクロが提供する「詐欺バスター Lite」の二つのアプリケーションです。いずれも2026年3月5日から利用が開始されました。
これらのアプリには以下の主要機能が搭載されています:
- 過去に詐欺に使用された電話番号や詐欺疑いのある番号からの着信を自動遮断
- 不審な電話がかかってきた際に「詐欺電話の可能性があります」などの警告表示
- 国際電話番号もブロック対象(昨年の特殊詐欺で使用された国際電話番号は約9万3千件、全体の約75%を占める)
2026年に導入予定のホワイトリスト機能
さらに注目すべきは、2026年を目処に追加される予定の「ホワイトリスト」機能です。この機能では、あらかじめ登録した信頼できる連絡先(家族、友人、重要な取引先など)からの電話のみを通話許可する設定が可能になります。これにより、未知の番号からの不審な電話を完全に遮断しながら、必要な連絡は確実に受け取ることができるようになります。
警察庁関係者は「詐欺手口が巧妙化する中、技術的な対策が不可欠となっています。これらのアプリは、特に高齢者を中心とした脆弱な層を保護する有効な手段となるでしょう」と述べています。
背景にある深刻な詐欺被害の実態
特殊詐欺の被害額は近年増加の一途をたどっており、2025年には過去最悪の3千億円を超える被害が報告されています。詐欺グループは、押収された名簿に230万人以上の個人情報が含まれていたことからも分かるように、大規模な情報収集を行い、より精密なターゲティングを実施しています。
特に問題となっているのは:
- AI技術を悪用した偽の顔や声による詐欺
- 取引先を装った送金要求詐欺(被害総額5億円以上)
- 高齢者を狙った不動産投資を装った「終活支援」詐欺
警察庁はこれらのアプリ推奨をきっかけに、官民連携による詐欺対策の強化を図っていく方針です。アプリ開発企業側も、利用者からのフィードバックをもとに機能改善を続け、より効果的な詐欺防止ツールとして進化させていくことを約束しています。
