福岡県議会の海外視察をめぐる高額な費用や契約の不透明性が問題視される中、県は2026年6月1日、県議会からの要請に基づき作成した新たなガイドラインを公表した。このガイドラインでは、旅行業者などの選定において、原則として競争入札を採用することを正式に決定した。
背景:不透明な契約実態
県議会の海外視察については、住民監査請求を受けた県の監察結果により、従来の随意契約において複数の問題点が明らかになっていた。具体的には、予算内で一旦契約を結んだ後、契約変更によって大幅に増額されるケースが複数確認された。例えば、ハワイ視察では当初約98万円で契約されたが、約1カ月後に約650万円に増額されていた。
新ガイドラインの主な内容
今回策定されたガイドラインは、最も低い金額を提示した業者が落札する競争入札を基本原則としている。ただし、海外視察には専門性の高い業務が含まれるとして、一般競争入札ではなく、あらかじめ選定した業者が参加する指名競争入札が「多くなると想定」されるとしている。
また、現地で商談会などを実施する場合など、「創造性や構想力などを見極める必要がある場合」には、価格ではなく提案内容を評価して業者を選ぶ「プロポーザル方式」を採用することとした。その際には、競争入札を採用しない理由を文書に明記することが義務付けられた。
さらに、従来のように随意契約を行う場合でも、実態に合った予定価格を設定した上で5者程度から見積もりを取ることや、全ての契約・変更手続きの概要を公表することが盛り込まれている。
議長のコメント
同日、服部誠太郎知事が自ら蔵内勇夫議長と中尾正幸副議長に対してガイドラインを説明した。これに対し、蔵内議長は「県議会としても順守する」と述べ、ガイドラインの遵守を約束した。
今回のガイドライン策定により、海外視察の透明性向上が期待される。県議会は今後、このガイドラインに沿った契約手続きを徹底し、住民の信頼回復を目指す方針だ。



