障害者、障がい者、障碍者――。この三つの表記の間で、今なお迷いが続いている。東京新聞の紙面では、原則として「障害」を用いているが、固有名詞に「障がい」や「障碍」が含まれている場合や、取材相手が強く希望する場合には、それらの表記を採用することもある。先日、川崎市の生活介護事業所「studio FLAT」のアート活動を紹介した際には、運営するNPO法人の理念に沿って「障がい」と表記した。
「障がい」表記の広がり
「害」の文字に不快感を抱く当事者らの配慮から、ひらがな交じりの「障がい」が地方自治体などに広がり始めたのは、2000年代に入ってからとされる。一方で、当事者の中には、妨げを意味する「障碍」を推す声も強い。民主党政権下の2010年、政府の「障がい者制度改革推進会議」で法令などの表記の在り方が検討されたが、「障碍」への変更は見送られた。その後、政府内で目立った議論は行われていない。
アートがつなぐ社会
studio FLATを運営するNPO法人は、パンフレットで「アートが人をつなぎ、障がいのあるなしにかかわらず特別な呼称などない共に生きる社会を目指している」と掲げている。記者は「障害」か「障がい」かに迷うことなく、気付けば彼ら彼女らの記事を書き終えていた――。そんな日が来るのだろうか。



