名鉄広見線廃線へ、存続願った住民「思い届かず」通学影響懸念
名鉄広見線廃線へ、存続願った住民「思い届かず」

「悔しい。やってきたことが報われなかった」。沿線の3市町が29日、存続に向けた協議終了を発表した名鉄広見線の新可児―御嵩間。岐阜県御嵩町の住民団体「名鉄広見線を守ろう会」の伊藤也寸志さん(65)は目を潤ませ、肩を落とした。

存続への努力実らず

名鉄広見線の利用促進に取り組んできた伊藤也寸志さん。廃線の見通しに「本当に残念」と肩を落とした。この日に公表された国勢調査の速報値では、町の人口は1万6503人。5年前から1013人減った。

守ろう会は乗客を増やそうと、地元グルメ「元祖みたけとんちゃん」を扱う店を御嵩駅前に出し、昨年には存続を求める署名を集めた。「思いが名鉄に届かなかった。このご時世では仕方ないが、くみ取ってもらいたかった」と唇をかむ。

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通学への影響懸念

町内の東濃高校は、全生徒の8割に当たる約240人が通学に広見線を使う。「子どもたちの通学がどうなるのか」と二村文敏校長(55)。外国にルーツを持つ生徒の受け入れ態勢が充実する東濃高には広域から生徒が通っており、「学ぶ機会が失われないように代替手段を示してもらえたら」と願った。

町商工会の藤掛義彦会長(66)は「残念な結果だが、これでまちづくりが駄目になるわけじゃない。みんなで力を合わせていかねば」と前を向いた。

中部9県の廃線、名鉄が最多

国土交通省のデータに基づく共同通信の集計、分析によると、2025年度までの30年間に全国で廃線となった鉄道は68区間1366キロに上る。車の普及や少子高齢化を背景に、特に地方で廃線が加速している。

この間、中部9県では愛知、岐阜、長野、福井、石川、富山の6県で24区間277キロが廃線に。事業者別では名鉄が最も多く、愛知、岐阜両県内の13区間に上った。

住民有志が今春、沿線活性化のため名鉄御嵩駅前に設置したベンチ型オブジェも、廃線の決定によりその役割を失う可能性がある。

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