広島市教育委員会は、教員による性犯罪やわいせつ事案が相次いで発生したことを受け、再発防止策を強化している。令和8年度からは、盗撮カメラを探知する専用機器を導入し、校内の巡回点検に活用する方針だ。市教委は教員向けの研修にも力を入れており、ハード面とソフト面の両方から対策を進めている。
背景:教員のわいせつ処分が相次ぐ
市教委の発表によると、令和7年度には市立小中高校の教員5人がわいせつ事案で懲戒処分を受けた。中には、児童のスカート内にスマートフォンを差し向けて撮影しようとした事例も含まれている。直近でも、令和8年5月26日には、市立中学校の教員が不同意性交などの疑いで県警に逮捕される事件が発生している。
導入された盗撮カメラ探知機
市教委が導入した機器は、縦約10センチ、横約5センチの小型サイズで、カメラが発する電波を検知できる。1台あたり約3万円で、計15台を購入した。今後、元警察官で構成される「地域学校安全指導員」が校内の安全確認を行う際に、教室やトイレなどでこの機器を使用することを想定している。市教委の担当者は「学校を安心・安全に過ごせる場所にするために導入した」と述べている。
研修の拡充:若手教職員にも対象を拡大
市教委は、これまで校長や園長を対象に行っていた元警察官によるわいせつ行為防止研修について、新任から6年目までの若手教職員にも対象を拡大した。これにより、早期の段階から意識啓発を図る狙いがある。
現場の声:対策の実効性に課題
こうした取り組みには期待の声がある一方、ある中堅の男性教諭は「自分の学校では『自分は大丈夫』という雰囲気が残っている。市教委の対策は対症療法のように感じる」と指摘する。この教諭は「職場で教員同士がしっかりコミュニケーションを取り、ストレスなどを把握することが重要だ」と述べている。
今後の取り組み
市内の各学校では、校長ら管理職が教員と個別面談を行い、仕事上の悩みやストレスを把握する取り組みが進んでいる。上田友紀・学校安全対策担当課長は「教職員による児童へのわいせつ行為が起こらない当たり前の状態を目指し、日常点検から徹底する。機器を抑止力として有効に活用していく」と語った。



